夜蝶星流

□待ってて
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『盗人?』


「イヤ…ただわっちがどこに置いたか忘れてるだけかもしれん。」


『そんな歳じゃないでしょ。』


「………」


星斗の家にて


月詠は今までの事を報告していた


『で、今まで何盗まれたの?』


「(盗みは確実なのか…)ボールペンや髪止め辺りかの。」


『それから?』


「は。」


『それから?』


「…家からタオルが無くなった(洗濯前)」


ガタァァァン


「っ!?」


『それ以外は無い?』


「(あっても言えん!!)」


無言の月詠を見、少し考える仕草をする


『そうだ。』


「ん?」


『俺今日から月詠をストーカーするね!!』


「は?」


『じゃ!!』


「は、ちょ…」


にこやかに去っていく星斗を月詠は唖然と見送ってしまった









pi pi pi pi…
「ん…」


目覚ましを止め上半身を起こししばらくボーっとする


「………」


ストーカー宣言をした星斗の言葉を思い出し辺りを見渡すが気配は感じない


月詠はあまり気にもせずしたくにとりかかった











家を出て学校に向かう間も星斗の気配はしない


「(昨日のは冗談だったか。)」


星斗の気配はしないが


いつもの男の気配はする


星斗には言わなかったが物を取られているばかりではない


星斗とは違い


正真正銘のストーカーだ


「(星斗に言ったら大変だっただろうな。)」


昨日の事を考えながら苦笑


「!!」


いきなり別の気配を感じ振り返るが誰もいない


「?」


振り返った時に慌てて物陰に隠れたいつもの男は見ぬふり








『あ。』


「………」


学校も終わり帰宅すると


星斗と男が何か変な感じになっていた


「何か…変な感じになって…」


『捕まえたよ。』


「イヤ、うん…」


多分自分でも捕まえられたと思う
という言葉は飲み込んでおく


『じゃ、こいつお仕置きしてくる。』


「別にそこまで…」








『待ってて。』








星斗は想像以上に怒ってたらしい








「お前ならすぐに捕まえられたんじゃないのか。」


『月詠の1日が見たかったんだ〜。』


「…途中感じた気配は。」


『今月詠俺の事考えてるのかなァって思ったら動揺しちゃった。』


「………」










確かに恋だった
 

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