夜蝶星流

□護衛対象と幼なじみ
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人が居ない大きなパイプの上


月詠はパイプの入口を開けた


「門は見張りがいる。この仲を通って行くがよいわ。1日半はかかるがいずれ出られるはずじゃ。」


晴太は驚いて星斗を見上げた


『ここからなら安全ですからね。』


「いや、そーゆーんじゃなくて…オイラは母ちゃんに会いに来たんだよ。」


『でしたらなおさら帰った方がいいです。』

「なんで!!」


『月詠に晴太さん達を逃せと言ったのが日輪だからですよ。』


「母ちゃんが…!?
母ちゃんオイラの事を知っているのか!?オイラがここにいる事を…!?」


晴太は勢いよく星斗に聞いた


『そのようですね。』

「吉原の楼主鳳仙はぬしと日輪が接触することを恐れいなんし、ここにいればぬしの命はない。」


「なんで!!子供とマミーが会うのを邪魔だてされる義理はないネ!!」


神楽が晴太の前に出て月詠に叫んだ


「日輪が吉原(ここ)から逃げるかもしれんからじゃ。」


『八年前、赤子の頃の晴太さんを連れて逃げた時のようにね。』


「オイラを連れて…!?」


月詠はその時の事を話したのだった














〜〜〜     〜〜〜

月詠が売られた後も頻繁に会っていた星斗と月詠


もちろん

日輪も知っていた


『久しぶり。』


「…うん。」


亀吉のところの禿とケンカした月詠は星斗にしばらく会いにこれなかった


それでも星斗は毎日同じ場所同じ時間に月詠に会いに来ていた


「許せ星斗、色々あったんじゃ。」

『うん、わかってるよ。』


ニッコリと星斗は言った


月詠は無言で星斗に抱きつく


『月詠?』


「なんか星斗と居ると落ち着くんじゃ。」


『そっか。』


星斗は笑顔で月詠の頭を撫でる


「あらあらこんな人目のつかない所でいい雰囲気作りだしちゃって。」


月詠が振り向くとニマニマ笑う日輪がいた

「いい雰囲気なんかになっておらん////!!」

『え、なってないの?』

「ぬしまで何言ってるんじゃ////!!」

月詠は星斗の胸を押して離れようとするが星斗は離そうとしない


「星斗はまだ小さくても立派な男なんだよ。」


『そうだそうだ、やっと月詠を通り越したぞ。』


「通り越したと言ってもちょっとじゃないか。」


『ちょっとでも発育したの。』


「またすぐにわっちがぬかす。」


『そんなことないもん、月詠はそのまま俺より小さくていいの。』


「良くない。」


日輪は二人の言い合いをケラケラ笑いながら見ていた









 
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