夜蝶星流

□親子という名の絆
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「いた!あそこだ!」

「ぎゃあああああ!!」


百華に追われる星斗と晴太


「星斗さん!止めてェェ!」


『無理です!コイツらは今、月詠の言うことも俺の言うことも聞きません!!』

「マジでかァァァァァ!!」


星斗に手を引かれながら走る晴太


「わっ!!」


『!!』


晴太が転び星斗の動きも止まる


「チャンス!!」


百華が手を伸ばし星斗は晴太を抱きかかえ武器を構えた

ドパァ


『!!』


追ってきていた女が血を吹き出し倒れた

「こんな所で何をしてるの。」


『………』


「ひょっとして、日輪(お母さん)でも捜してるのかい。」


ケラケラ笑っている神威の手は血で染まっている


神威を睨む星斗の腕の中で晴太は震えていた


「アリ?どうしたの?寒いの?大丈夫?

そんなに会いたいなら会わせてあげよっか?日輪(お母さん)に。」


『何を考えてるんですか。』


「そ…そうだよ!アンタ、オイラ達の味方でも鳳仙の味方でもない。一体…何なんだ。」


すると百華が逃げ場を塞ぐように近寄ってきた


「あいにく吉原にも仕事にも興味ないんだ。会いたくなった。
あの夜王鳳仙を腑抜けになるまでたらしこんだ女に。」


百華が両側から攻めてくる


「うわわっ!!」


晴太は星斗にしがみつく


星斗は晴太を抱き上げた


ガゴラッ


百華が攻撃した所には誰もいない


「会いたくなった。」

天井には晴太を抱く星斗を抱える神威


「吉原中の女達から太陽と呼ばれすがられる女に。」


バカカ


そこにいた百華全員が倒れた


『あらら…』


「俺はどうやら今まで捜し人を間違っていたらしい。」


二人を下ろし神威は表情が変わらず笑顔

星斗はボーっと百華を見ていて晴太は顔が青ざめていた

「…さあ会いにいこうか。

吉原で最も美しく、強い女に。」










 
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