夜蝶星流

□そしてこのまま
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星斗は走っていた


少しでも早く


月詠の元へ向かう為に


『!!』


星斗が見たのは傷だらけになり百華に囲まれ手当てされている月詠


「兄様!!」


『お前ら…まさか月詠を…』


怒りに震え百華の女達を睨む


「星斗。」


月詠の声に我に返ると走り寄った


「星斗、コイツらを責めないでおくんなんし。」


『………』


頭に包帯を巻かれ腕にも包帯を巻かれ


痛々しい姿だったがあの凛々しさは失われていない


『晴太と月詠の所に銀兄さんが行った、多分既に乱闘は始まってる。』


「ホントに鳳仙相手にしてるのか、無茶しよる。」


『銀兄さんはそーゆー人なんだ。』


「そうか。」


月詠が立ち上がりその後ろに百華


「行くぞ。」


『わぁー女って恐い恐い。』


「女を舐めてたら痛い目にあうぞ。」


『………』









銀時は鳳仙にやられ血まみれに倒れていた


晴太は日輪を背負う


「晴太離しな!!アンタ大人一人背負って吉原から逃げられるとでも!!」


「ギャーギャー騒げばいいや、そうやってオイラも母ちゃんの腹の中で騒いでたんだろ。


赤ん坊の頃は親に背負われて、大人になったら今度は年取った親を背負って
それが親子ってもんなんだろ。


背負わせてくれよ、オイラにも。
自分ばっかり背負って終わらせないでくれよ。


母ちゃんの一人や二人、息子なら背負って当然だろ。

なんにも重かねェやこんなの。

今まで何にも背負ってこなかったんだ。

これ位で丁度いいんだ。
この重さが嬉しくてたまんねーんだ。」


「せ…晴太。」


「そいつは頼もしい話じゃな。」


声がしたかと思うと鳳仙にクナイが襲いかかる


「これは…」


「ならば背負ってもらおうかの、ここにいる皆を。

貴様の母親、49人。」


『じゃあ父親もいれてね。』


「優しい息子をもって幸せじゃわっちゃ。」


「月詠!!星斗!!」


「貴様ら何のマネだ。」


「わっちらは知らぬ、悪い客にひっかかっただけじゃ。

吉原に太陽を打ち上げてやるなどという大ボラを寝物語で聞かされた。


ホラあそこでのびている奴じゃ、まったく信じて来てみればこのザマ。


太陽などどこに上がっている、ぬしに期待したわっちがバカだった。


この大ボラ吹きめが!!


クナイが銀時の方へ飛んでいく








 
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