夜蝶星流

□おデートしましょ
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『今日デート行こ?』


「は?」


『デート!!』


「…はァ。」


今日は最高のデート日和









江戸の街にて


二人は団子を食べていた


「吉原でもよかったんじゃないか?」


『いいじゃんいいじゃん。』


ニコニコしながら団子を口に運んでいる星斗を見て月詠はまァいいかという結論に付いた


「アレ、星斗に月詠じゃねーか。」


『銀兄さん!!』


「二人仲良くデートかコノヤロー。」


『ハイ!!何気に初めてです!!』


「そうだったか?」


『こんな感じで二人で出掛けるのは初めてだよ。』


「意外だなァ。」


『俺も昨日気づいたんです。』


「昨日気づいて今日誘ったのか…」


月詠は密かに星斗の行動力に驚いていた


「あそこ行ったのか?大江戸遊園地とか。」


『遊園地…』


月詠を凝視しながら何か考え始めた


「星斗?」


『イヤァ…ねェ。』


「考える事は同じか。」


『ハイ。』


「??」


「『月詠と遊園地って死ぬほど合わない。』」









「失礼な奴らじゃ。」


煙管をふかす月詠の傍にはクナイを頭に刺した男二人が転がっていたらしい











『うを!!見て見て月詠!!』


「そんなに急ぐと転ぶぞ。」


ある丘に来た二人


真っ赤に染まる景色に二人も染まる


『真っ赤だァ〜。』


「…そうじゃのう。」


座る星斗の隣に月詠も腰かける


「夕日を見たのは久しぶりじゃ。」


『昔はよく二人で見たよね。』


「あァ。」


星斗はニッコリ微笑むと地面に置いてある月詠の手を握る


「っ!!」


『昔みたいにね。』


「………」


『その顔は夕日のせいにしてあげる。』


「…そうしてくれ。」


『うん。』


二人は夕日が沈むまで景色を眺めていた








 
 

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