□どんな時も
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どんな時だって


考えているのは


アイツのこと











総悟「おいクソチャイナ。」


神楽「何アルかクソサド。」


ある公園

ブランコに座っていた神楽に総悟が近づいていく


総悟「お前ホント素直じゃねェな。」


神楽「サドに言われたくないアル。」


神楽の隣のブランコに腰かける総悟


神楽「何の用アルか?」


総悟「用がなきゃ来ちゃいけねェのかィ?」


ニヤリと笑い神楽ほっぺたをつねる


神楽「べふにそーいふわけしゃ…(別にそーいうわけじゃ…)」


総悟「なら聞くな。」


ほっぺたを離し少し赤くなっていたので撫でてやる


総悟「お前に会いたくなっただけでィ。」


そっぽを向いている総悟を神楽は赤くなりがら見る


神楽「…私も…会いたかったアル…」


真選組である総悟は忙しい


前まではサボって神楽に会いに来ていたがこの頃は攘夷志士達が動き出しているためサボれない



神楽「気をつけるヨロシ。」


総悟「分かってらァ。」


いつ命を狙われてもおかしくない仕事


神楽は心配だった








総悟「そろそろ帰るか。」


ずっと喋っていたので日がかたむいているのに気がつかなかった神楽


神楽「そうアルな…」


総悟「寂しいのかィ?」


ニヤリと笑い神楽の頭を撫でる


神楽「べ…別にそんなんじゃないアル////」


赤くなり膨れる神楽に総悟は苦笑した


総悟「しょうがねェから送ってってやらァ。」


手を差し出され神楽は顔を赤くしたまま手を握った



公園を出てすぐ


総悟「神楽!」


神楽「え?」


神楽の後ろから一人の攘夷志士が刀を振り上げていた


神楽「!!」


気付いた時には総悟に抱き締められていて


攘夷志士は逃げていった


神楽「総…悟…?」

ずるずると地面に倒れていく総悟を神楽は抱き止める


神楽「総悟!!」


総悟の腹部からは血が流れ出ていて止まらない


神楽「ど…どうすればいいアルか…」


総悟「かぐ…ら…」

神楽「!!」


抱き締めている総悟に目をやると


愛しそうに自分を見る総悟


総悟「大丈夫…だから…落ち着け…」


神楽「ダメヨ!喋っちゃダメアル!」


涙目の神楽の頬を撫で総悟の意識は飛んだ










神楽「…………」


あの後神楽は急いで銀時を呼び病院に運んでもらった


新八には土方と近藤を連れてきてもらっていた


総悟は集中治療室に運ばれていた

刺し所が悪かったらしい


神楽「わた…しの…せいアル…私を…かばったから…」


治療室の前で泣いている神楽の頭を慰めるように撫でる新八

近藤「大丈夫だチャイナさん。総悟はこれくらいじゃ死なん。」


そう言っている近藤の顔は涙と鼻水でぐちゃぐちゃだった


銀時「…汚ね。」


若干引きぎみの銀時

土方「近藤さんの言う通りだ。総悟の奴なら大丈夫だよ。」

土方「お前が信じてやらなきゃいけねェんじゃねェのか?」

土方に言われ神楽はゴシゴシと涙を拭いた


神楽「大丈夫ネ…」

総悟に言うように
自分に言い聞かせるように
神楽は呟いた







数時間後

治療室の扉が開いた

医者「手術は成功です。しかし…」


意識を取り戻すのは困難











あれから数週間


神楽は毎日病院に通っている


神楽「まだ目ェ覚めないアルか?まったく…」


酢昆布をかじりながら未だに目を開かない総悟を悲しげに見つめる


神楽「早く目ェ覚ませヨ…つまんないアル…」


総悟の手を握り涙を堪える


その時微かに総悟の手が動いた


神楽「!!総…悟…?」


総悟「ん…」


神楽「総悟!総悟!」


何度も呼びかけ総悟の手を強く握る


総悟「か…ぐら…」

神楽「!!」


総悟の開いた目には涙目の神楽が写っていた


神楽「総悟…!」


嬉しくなり思い切り抱きつく


総悟「何…泣きそうになってんでィ…」

力無く微笑みながら神楽の頭を撫でる


神楽「泣いてなんかないアル…」


そう言った途端神楽の頬には涙が伝う


総悟「泣いてんじゃねェか…バァカ…」

神楽の涙を指で吹き笑いかける


神楽「バカに…バカなんて言われたくないヨ…」


精一杯の笑みを総悟に向けながら再度力強く抱きしめた












意識の向こうでアイツが俺の名前を呼んでいるのが聞こえてた


早く抱きしめてやりたくて


その声の方に手を伸ばしたんだ









END










〜あとがき〜

凪さんどうでしたでしょうか


ご期待に答えられていれば嬉しいです!

これからもよろしくお願いします!
 

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