短編-ソノ1-

□Under the Rose
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ボクらが話すのはいつもこの場所。


大きな庭の、

咲き誇るバラの、

その陰で。



ボクらがいつも見るバラは、


たくさんの茨の先にある、

艶やかな色を振りまく花びらの

裏の切れ端。





ある日キミは

折れそうな白い腕で

分厚い辞書を持ってきた。



「バラ…r…o…s…e…」



そう言って、

透き通る指で

辞書の薄っぺらい頁を繰っていった。





『be coming up roses』

 (事が)うまくいく.


『be not all roses』

 楽しいことばかりではない.















『under the rose』

 内密に,こっそりと.

















「わたしたちのことね」



キミは笑った。

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