学校不思議のダンジョン 〜時空を超えた出会い〜

□Chapter-2
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―――寮・本館―――

知里の通っている学校の寮は3階までと屋上がある本館と、本館ほど大きくは無いが2階まである別館がある。
そして、それらの寮は学校の敷地内にあり、それぞれ数歩で移動できる。

――昔、戦争があっていた頃の時代・・・・・・この本館は病院だったらしい・・・・・・。

そんな話を友人たちが喋っていたのを知里は聞いたことがあった。
彼女は普通生というのもあって寮について詳しくは知らないが、部活で寮に立ち寄るようになってから思うようになった事があった。

「ああ、寂しいな」と・・・・・・。


まずは1階からである。
ここには寮生の靴箱や食堂などがある。
「じゃあ、食堂の方へ行って見ようか・・・」
多少、震えた声で知里は全員の方に向いて言った。声を出す代わりに何回も縦に頷く皆の姿が見えた。

「・・・・・・見た目は普通っぽいけどなぁ・・・・・・」

そう言いながら知里は食堂のドアの取っ手に手をかけた。
食堂のドアはガラス張りに木の枠があり、ドアのある壁も同じような作りで中の様子も丸見えだ。
全員が見る限り、食堂内は誰一人いなく明かりはついていないが、外からの光で中が照らされているようだ。
知里は覚悟を決め、思い切ってドアを開けた!

「・・・・・・ねぇ、ポッチャマ、ジュプトル・・・・・・この光景って見たことあるよね?」
「うん、見たことあるよ。だってこれ・・・・・・」
「当たり前だ。これはオレと未来のチサトがいた・・・未来世界のダンジョン『空間の洞窟』だからな!」

すると、後ろから「未来世界ーーっ!!?」という叫び声が聞こえてきた。

「な・・・ななな、なんでジュプトルたちの世界のがココにあるんだよ!」

バシャーモが震え上がった声で知里に聞いた。
「多分・・・・・・この学校の敷地内全てがおかしくなっているせいで、未来世界や何かが混じっている事は充分に考えられるよ」
まあ、予想はしてたけどね、と知里は1人そう呟いた。
「って事は、お前たちはどんなポケモンが出てくるか、ある程度は予測できるんだな?」
カントリーの2匹と知里は、ジュカインの問いに頷いた。
「ちょっとここは考えて通った方がよさそうね」
そう言って、知里は全員の方を向いた。

まず知里は、バシャーモとルカリオが列の真ん中に並ぶように指示する。
その前列に前から知里・ポッチャマ・ジュカイン、後列にジュプトル・ラグラージ・デオキシスと並んだ。
「なるべく円形になる時もバシモとルカは真ん中。あとの皆は円を自然に作ってね。
ここは2匹の苦手なゴーストタイプも出てくるから、皆で協力して突破していくよ!」
と知里は言った。全員、指示された列になる。
その際、バシャーモが知里に尋ねた。

「なぁ、知里・・・・・・」
「ん?どうしたの?」


「・・・・・・俺たちも・・・・・・本当に行って大丈夫なのか?」


さっきとは違うバシャーモの表情に知里は驚いた。
「・・・大丈夫よ。この先を進むためにはバシモたちの力も必要だから!そのためにも来てもらわなくちゃ困るわよ」
だから、そう落ち込んだような顔をしないで、と知里は彼を励まし、前へ進み始めた。
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