学校不思議のダンジョン 〜時空を超えた出会い〜

□Chapter-3
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「な・・・・・・・・・何よコレぇ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」

一番ビックリしたのは知里である。
扉を開けたら屋上があるはずなのに、黒い霧のかかった森が続いていたのだから・・・・・・。
「どした?知里・・・・・・うわっ!なんだこりゃ!!」
後ろからジュカインが押してきた。その勢いで倒れそうになる。
「もーっ!ジュン危ないって!」
「あ・・・ゴメン・・・・・・」
「一体何があったんだ?」
次々と知里の後ろから入ってくる仲間たち。全員入ったところでジュプトルが口を開いた。
「どうやらオレたちは『黒の森』にいるらしいな」
彼がそう言うと、知里は辺りを見渡した。よく見ればゲーム中でも見たことのあるような風景が広がっている。
「って事は、『セレビィ』がいる可能性有り・・・だよね?」
「『セレビィ』・・・って、あの伝説の『時渡りポケモン』の事なのか?知里」
「うん、そうだよジュン。どうして?」
「いや、セレビィについては大体分かるんだが・・・どうしてここにセレビィがいるんじゃないかって思うんだ?」



このとき、カントリー組は事前の説明不足だった事を後悔した。



「―――つまり・・・・・・以前、知里はゲーム中で・・・・・・ジュプトルとポッチャマは実際に未来世界に居た時にお世話になった・・・と」
1人と2匹はジュカインの言う事に対し、「うん」と頷いた。
「という事は、もしかしたらセレビィは異変に気付いているかも知れないな」
バシャーモのその一言が、今後の動きを決めたのであった。




―――黒の森―――




黒の森は、いつも森に黒い霧がかかっているのでそう呼ばれているのだが・・・・・・
今回は霧の濃さが以前よりも増している、とジュプトルが言ったのを知里は聞き逃さなかった。
「それってどういうことなの?ジュプトル」
「・・・・・・ハッキリとは分からんが・・・・・・時空の異変と何か関係があるのかも知れん。
とにかく、セレビィに会って知っている情報があれば教えてもらわないとな」
複雑そうな顔をしながらも落ち着いた感じで話す彼。
きっと彼が「そんな顔」になっているのは、セレビィと関係があるという事を知里は知っていた。
「しかし・・・本当にここの霧は先がほとんど見えないな。見えるのは自分たちだけぐらいか?」
「いや、バシモ・・・よく見たら近くの樹木はいくつか見えるぐらいだぞ」
確かに、この2匹の言うとおり・・・辺りは黒い霧で、自分の周囲にいる仲間ぐらいしか見えない。
そのため、離れて歩くのは大変危険だと判断した一行は、ある方法で先を急ぐ事にした。


「デオス!ルカ!頼んだぞ!!」


一番前にルカリオ。一番後ろにデオキシスが移動し、後は適当に並んで列になった。
「なるほど。ルカリオは『波導ポケモン』・・・。
周囲のモノの波導を感じることが出来るわけだから、目を使わなくてもいいというわけか」
納得した、と言うかのようにジュプトルは頷く。
「さすがねジュプトル。ちなみにデオスは微かな電磁波も感知出来る能力を生かすためにも後ろにいるのよ」
「では皆さん、私に付いて来てください!」
ルカリオが走り出した。
知里たちは、そんな2匹の力を借りてセレビィの元へと急ぐのであった。
 
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