学校不思議のダンジョン 〜時空を超えた出会い〜

□Chapter-5
1ページ/7ページ

「さて・・・どっちに行くべきか・・・・・・」
知里は今、2つの教室の間で迷っていた。


あの後、知里たちは南コンピュータ室のある2階の他の教室で、ダンジョン化している教室を発見。
1年1組の「リンゴの森」と3組の「オレンの森」である。
それぞれ隣同士にある教室で、名前の通り「リンゴ」と「オレンの実」が沢山実っているダンジョンだったため、
「せっかくだから2チームに分かれて食料を集めよう」
となったのだ。

ちなみに、この時点でポッチャマとジュプトルはセレビィに今までの事を話すついでに、
レントラーたちに今の状況と知里の世界について説明するためにも寮に向かっていた。
「ポッチャマたちが戻ってくるのを待っていても、いつまで時間かかるか分からないし・・・
それに、このダンジョンは難しいってわけでもないから、私たちだけでも攻略できるわよ」
ということで、メンバーを「知里、ルカリオ、デオキシス、ロトム」、「ジュカイン、バシャーモ、ラグラージ」
と2つのメンバーに別れ、早速どちらかのダンジョンに入ろうとして・・・・・・現在に至る。



「う〜〜〜〜ん・・・・・・よし、決めた!私たちは『リンゴの森』に入るね」



悩んだ末・・・やっと、どちらに行くかが決まった。
「いつまで待たせるんだよ知里。・・・とにかく俺たちは『オレンの森』だな」
知里たちは1組、ジュカインたちは3組の教室入口前に立った。
「あ、そうだ。出来るだけこういうのを集めて」
そう言いながらリンゴとオレン、そしてカラフルなグミをいくつかトレジャーバックから取り出した。
そして、それをジュカインたちに渡す。
「グミの形は一緒だけど色が多いから・・・とりあえずこれらをたくさん集めてほしいの。
あと、リンゴとオレンは木から落ちている物だけよ」
「了解。じゃ、俺たちは先に行くぜ。ここで集合な」
そう言うと、ジュカインたちはドアを開けて、オレンの森へと入っていった。

彼らを見送った後、知里たちも急いでリンゴの森へと足を踏み入れた。




―――リンゴの森―――




入ってからしばらく歩き続けて行くと、所どころ赤く実っているリンゴの木々が目立つようになってきた。
リンゴの花も咲いているのか、辺りはリンゴの匂いが漂っている。
知里たちは匂いをかぎながらも進んでは、地面に落ちているリンゴを2つ3つ・・・と見つけていった。


落ちていたとは思えないぐらい、表面に傷はほとんど見当たらず、触るとツルツルしている。
どれもそんな感じだったので、リンゴを拾いながら大喜びする知里であった。
“「・・・・・・かなり感激しているようですね・・・・・・」”
「『カンゲキ』?『カンゲキ』ッテ、ナーニ?」
「『感激』というのは・・・今の知里さんみたいに、強く心を動かされた事をそう言うんですよ。
他にも、他人の優れた行動や物事を見聞きした時などに合う言葉ですね」
そうルカリオがロトムに説明していると、知里が拾ったリンゴを抱えて戻ってきた。
“「たくさん収穫しましたね。知里さん」”
よく見ると10個ぐらいは拾ってきている。そのうち2、3個は他のリンゴよりも少しだけ大きかった。
「もうホントに凄いの!リンゴがたくさん落ちていて、『大きなリンゴ』まで見つけたのよ!」
「・・・どうやら、この先にもあるみたいですね・・・・・・」
ルカリオが辺りの匂いをかぎながら波動を感じていた。
その間に知里はリンゴをトレジャーバックの中に入れる。
“「先に進んでみます?」”
デオキシスの問いに知里は「うん」と頷きながら答えた。

「皆も分かっていると思うけど、リンゴの森で暮らしているポケモンたちのためにも、必要以上に落ちているものを拾わないでね」

そう言い終わると、彼女を先頭に前へ進み始めた。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ