学校不思議のダンジョン 〜時空を超えた出会い〜

□Chapter-7
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「―――リンゴ3つ、オレン3つ・・・ちゃんと入ってる?」
「おう!バッチリ入ってるぜ!」
「じゃあ、復活のタネ4つ入れた?」
「・・・・・・スマン。1つ入れ忘れてた・・・・・・」
「・・・・・・・・・アホ」
知里にそう言われ、バシャーモはガックリと肩を落とした。


全員起床後、知里はバシャーモと共にトレジャーバックの荷物整理をしていた。
その際、バシャーモは知里に言われた道具を必要な分だけ入れていなかったため「アホ」と言われたのであった。

作業が終わった後、知里は食堂内の中心にあるテーブルに全員集めた。
このあと行くダンジョンを決め、メンバー編成を発表するためだ。
「じゃあ、次に行くダンジョンを決めるんだけど、南校舎のダンジョン攻略が一番進んでいるから・・・
今回は南校舎に残っているダンジョンのうち、3つのダンジョンを3チームに分けて攻略しようか」
知里は持っていた不思議な地図を広げた。
「ここが、『リンゴの森』と『オレンの森』の場所だね」
言いながら、ポッチャマは1年1組と3組の教室を交互に指す。
「って事は・・・・・・あと3階と4階にあるダンジョンを攻略すればいいんだな?」
「その通りよ、ジュン。で、今回は3階の3つのダンジョンに挑むわよ」
知里は3階で今回挑むダンジョンを1つずつ指す。
1年5組の「海岸の洞窟」、4組の「コロコロ洞窟」、南講義室の「沿岸の岩場」である。
ちなみに「講義室」と言っても多目的室のような所で、授業によっては講義室を使って行うこともあるのだ。

「で、1つのダンジョンにつき1つのメンバーが攻略する・・・という事で、勝手ながら私1人で3つのメンバーに分けました」

と、ここで知里がポケットから小さな紙を取り出した。
おそらく、あの紙にメンバー表が書かれているのだろう・・・・・・。
先ほどよりも大きめの声で、知里はメンバーを発表した。


「え〜〜〜と、
海岸の洞窟は『私、レンちゃん(レントラー)、ルクちゃん(ルクシオ♀)で、
コロコロ洞窟は『ポッチャマ、ルカ、セレビィ、ルクシオ♂のどちらか1匹』。
沿岸の岩場は『ジュプトル、デオス、ロトム、ルクシオ♂のどちらか1匹』
・・・・・・というメンバーで行きます!!」

張り切って知里は言い終わった。
ほとんどの者は納得したような顔をしているが、一部の者は納得できないような顔をしていた。
だが、その「納得できない」というのは「メンバーの組み合わせが」というわけではなく、「別のところ」に理由があったのだ。
その1つ・・・まずはレントラーが全身を震わせながら言い始めた。

「小娘・・・・・・私はルクシオ一族のリーダーであり、ニンゲンのお前から『レントラー』と呼ばれる事には抵抗は無かった。
むしろ、『私がそう呼ばれる事を許していたから』だ。
しかし、平凡な生活をしているというお前からニックネームで・・・馴れ馴れしく『レンちゃん』と呼ばれる筋合いは無い!」

最後は吠えるかのように言い終わった。
しかし、知里は読み終わった時の少しだけ笑顔になっていたという表情のままでレントラーを見ていた。
「確かに、普通に『レントラー』って呼んでも良かったんだけど、せっかくだから親しみやすいように『レンちゃん』と呼・・・」
「だから・・・私は『レンちゃん』ではない・・・・・・『レントラー』だ!」
「えー、いいじゃんニックネームでも。ねぇ『レンちゃん』」
「だ・か・ら、私は『レンちゃん』だ!!」





その瞬間、全員の脳内でブリザードが吹き荒れた。




もう1つ、今度はジュカインが言い出す。
「知里、単刀直入に聞く。何故、俺とバシモ、ラージは入っていないんだぁ〜〜〜!!?
「あなたたち3匹は、連続で多くダンジョンに行っているから」
「真顔で即答!?」
「実際そうじゃん。それに、3匹にはもうちょっと休んでほしいというか・・・一番頑張っていたなって私は思ったからさ・・・・・・」
多少もじもじしながら知里は話す。


「・・・分かった。知里がそう言うのなら・・・・・・」
「「そこ納得するんかい!!!」」



すかさずバシャーモとラグラージが突っ込んで、メンバー発表は終了した。
 
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