ポケモン

□悩んだ分だけ成長する
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「きゃぁぁっ!ダークライ、ごめんなさ〜い!!」
「・・・・・・・・・・・・・・・」

チサトは地面に倒れているダークライを見て、叫びながら彼の上に突っ伏した。




話は1時間以上前に戻る。
とある成り行きで最近仲間になった『あんこくポケモン・ダークライ』を連れて、トバリシティ付近の214番道路を歩いていた。
何故かと言うと、1つは“仲間になった彼と積極的にコミュニケーションをとりたかった”という事と、
“この道路でバネブーが大量発生しているのをテレビで見たので捕まえたかった”という事だ。

「ボールは大量に買った!何回も街に戻らなくていいように回復系の道具も大量に買った!自家栽培のヒメリの実も大量に持ってきた!
さあ、バネブーたちよ・・・・・・どっからでもかかってこい!!
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」



誰もいない草むらで、チサトの声は寂しく響いた。



「テレビで大量発生のニュースを見たのに、何で草むらは静かなのよ・・・」
盛大な溜息をして落ち込むチサト。
「その前に・・・・・・準備万端すぎるバックをどうにかしたほうが良いと私は思うんだが・・・・・・」
ダークライにそう言われ、チサトは地面に置いているバックを見下ろした。
大量に道具を入れているせいか、今にもファスナーが吹っ飛んでしまいそうなくらいパンパンである。

だが、チサトは整理しようとはしなかった。
重たいそれを両手で持って、前に一歩ずつ進んでいく・・・・・・。
「・・・・・・後で何があっても知らないぞ?」
「いいの!とにかく今はバネブーたちを探すのが先よ!」
多少ふらつきながらも前に進むチサト。
その背中を静かに見つめながら、ダークライは彼女の後ろをついて行った。
 
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