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□第七話 空族の証
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○ 基地の周辺

保「うわーっ!」

那央、弓矢を構える。

那央「何してんだい保っ!」

那央、保に目掛けて躊躇いもなく矢を放つ。

保「ひやぁっ!」

保、頭を抱えてしゃがみ込む。
保の頭上を矢が通過し、その後を半泣き状態で見つめる。

保「スパルタだぁ…」

那央・弾斗、背後で呆然と保を見つめる。

弾斗「お前マジで鈍臭いなぁ」

保、地面に正座する。

保「すいません…」

那央「全く、アンタが生まれたのが安寿の代で本当良かったわよ。桂真さんだったら今頃…」

保「桂真さん?」

弾斗「安寿の前の族長だよ。すごかったんだぜ?術が使える奴と使えない奴で、全然扱いが違うんだ。力のある奴は、何から何まで優遇されるが、逆に力のない奴は即座に責め落とされる。あの人の代は、俺達も色々と苦労したんだぜぇ?なあ?」

ふーっと長い溜め息を溢す那央。

那央「そうね」

保、ゆっくりと立ち上がる。

保「初めて聞きました。そんな時代があったなんて」

那央「そのせいで、基地を出てった奴も大勢居てね。だから今が、歴代最少の人数ってわけ」

弾斗「考えてみりゃ、それが大本だったんだよな、この紛争は…」

保「えっ…」

那央・弾斗、表情が微かに陰る。
二人の様子に動揺を隠せない保。
 
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