Phantom

□第一章 始まりのホームルーム
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春の暖かい空気が背中を押す。
でも、俺の足取りはとても重い。
正直、面倒くさい。学校の存在
なんていらね。めんど。楽しくねぇ。地球よ
ほろべ。なんて考える。どんだけがんばった
って将来はサラリーマンとかニート。分かっ
ているじゃないか。そう考えると本当に面倒
くさい。
そんな事を思い、クラス替えもない3学期の2−4の

教室へ向かっていた。家が遠いんだ。チャリでもいいだろう。
俺はそう思う。だが、中学校はチャリでの登校が許可されていないのだ。
本当、世の中めんどうくさいよね。
学校に着き、上靴を履く。このとき、少しの期待で靴箱の中に手紙が
はいっていないかを確認するが、もちろん入っているわけも無く。
階段を上り、2−4の教室前まで来る。

ガラッ

戸をあける。「おはよー空!」
「おはー!」とかの挨拶が飛び交う。
だが、「おう」ですませた。
俺は戸の前で教室内を見回した。
女子になにかの革命が起こり、可愛くなっていないだろうか。
そんなことも無く。入り口付近でちんたらしていたせいか、
俺の後ろには、葬式だか、蔵敷だかという名前の体育会系先
生が立っていた。
「こら。長谷川。席につきなさい。」と注意をされた。
顔は、まるで提灯アンコウだな。ひどい顔だ。
俺は笑いをこらえて「はい」と返事をし、
大人しく自分の席に座る。
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