Phantom

□第二章 サボリは災難の始まり
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その日、俺は後悔をする。
考えすぎたせいか。
いつもは夢は見ないタイプだが、今日は違った。

夢を見た。しかも、鮮明でとても印象に残るような。

赤い髪をなびかせた少女が何かを
言っている・・・・。何かを。

顔はハッキリと見えるのだが。

声が、音が聞こえない。

口をパクパクしているだけ。

何を・・・・何を伝えたいんだ?

暗い闇の中。少女だけがいる。

そして、何かを伝えようとしている。

そう思い、近寄った瞬間。

パチッ

「こらぁぁ!!!おにいちゃん
おきなさぁぁい!!」
・・・・夕日がいた。
「何?もう時間?」
髪の毛は、しっかりと短いツインテールに
結ばれて、俺の寝ている横でバタバタと暴れていた。
「おきなさぁぁぁい!!あさごはんさめちゃうーー」
もう、暴れすぎてゼェゼェ言いまくってる。
「分かったよ。」
夕日をどかせて、制服を着る。

「おにいちゃん、きがえるなら
いってよーおにいちゃんのはだか
みたくなかったぁ」
などと言っているが、気にしない。
朝食は、ご飯と味噌汁と野菜炒めとたくあん。
ご飯に味噌汁ぶっかけて、食う。
野菜炒めは味を変えたい時に食べて、
たくあんは最後の口直しに食った。
時間は、全然余裕。靴紐を結んでいると、後から
大きなゴミ袋を持った夕日が現れた。
「はい。おにいちゃん。ばつげーむ。ゴミすててきてね。」
と、大きなゴミ袋を受け取った。
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