Phantom

□第七章 飛び降り地獄と切り裂き地獄
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俺達は、サラの所へ向かって
エレベーターに乗っていた時の事だ。
俺が一軸に質問した事から始まった。
「なあ、武器って俺は大きな剣で
瀬山は仮だけどヌンチャク。お前は弓矢だよな。」
一軸は「そうだな」と返事をした。
「真紀さんの武器は?」
「・・・知らない。あの人の戦っている姿、見たこと無いからな。」
ふーんと、俺は言って少し経ってからまた質問をした。
「まだ、智也と花村は獣と会っていないから分からないとして、
みさきって言う男は武器何なんだ?」
それを聞いて、一軸の顔が青ざめた。
「おい。みさきって誰だ?」
一軸の目がいつに無くつりあがる。怖い・・・・。
「え・・・。白い髪がツインテールで結ばれてて・・・
すっげぇ女みたいだった。ちっこいし。」
一軸は降りるボタンを連打する。
「そいつ。この城の中にいる私達の仲間じゃない。」
4人がわけが分からなくなった。
「実を言うと、この城の中に今は私とお前達、サラ、副指揮官、
長はいるのか分からないが、ほかにたったの3人しかいないんだ。」
それを聞いて俺は口を開いた。
「それってPhantom内での全員?」
一軸は首を振る。
「違う。城の中でだ。その残り3人の中で1人は男だが、みさきと言う名前じゃない。」
それを聞いて、一軸は次の階で
降りた。降りるとき俺達に一言残した。
「お前らはサラの所へ急いで向かえ。こちらが安全になったら私も
お前達の世界に行く。それまでこっちの世界には来るな。
それと、みさきに会っても戦う気になるな。無視をして逃げろ。」
言い切ったとき、エレベーターの扉がしまった。
4人になって、正直不安だった。
誰も話さないし。気まずい雰囲気が流れる。
前まではこんな性格じゃなかったのに。
この3日間色々な事がありすぎたせいか。
物凄く大人しくなった。
頭が混乱しているんだな。
「ねえ・・・。あたし、ほっぺにキスされたけど、大丈夫かな。」
花村が話したけど、智也の
「大丈夫じゃね」で済まされた。
智也も怯えているのだろうか。それだけで済ますのは
実に珍しい。こんな事を考えている俺はもっと重症だ。
さっきから震えが止まらない。
「とりあえずここから脱出しないか。」
俺が話した瞬間、

ポーン

っとエレベーターが鳴った。
4人はびくっとするが、それからは沈黙。それを破ったのは瀬山だった。
「ねぇねぇ、これって誰か乗る合図だよね?この、乗る人、みさき
って言う人だったらどーす・・・」
瀬山が話している途中、智也が
悲鳴を上げた。
「キャアアアアアアアッ」
注意。この悲鳴は智也です。
女ではないですよ。
「うるせぇ!!女みたく騒ぐな!智也!」
俺も俺でパニック。花村もパニックになっていた。
「どうするの!?あと、30秒だよ!?」
俺も慌てて周りを見回した。
俺たちの乗っているエレベーターって、景色が見渡せるように
ガラス張りなんだな・・・。
ガラス・・・。
辺りを手で触ってみる。
・・・・あった。
「おい・・・空ぁ・・・何してんの?」
智也が怯えて止めようとするが
そんな時間は無い。
「窓から飛び降りる。こっちの方が降りる時間も早い。
みさきに殺されちゃ、死んでも死にきれねーよ。」
俺は窓を開けて飛び降りようとした瞬間。
「あたしもっ・・・。降りる!」
花村も俺の後ろに並ぶ。
「私も!!!絶対ジェットコースターよりスリルあるよぉ!!」
と言って瀬山がピョンピョン跳ねながら花村の後ろに。
「智也!時間が無いんだ!」
と言って俺は窓から飛び降りた。
高さは約、東京タワーの
3倍と考えるべきだろうか。
かなり高い。これで落ちれば
瞬死。でも、俺は何だか死ぬ気が
無かった。むしろ安全なような気がした。
・・・・気だけだが。
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