Phantom

□第八章 飛べ
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「アルルぅっ」
みさきが泣き泣き暗闇で
名前を呼ぶ。
「何よ。よわっちぃ男が。」
白い髪に赤い薔薇の髪飾りがさしてある。
白に赤がよく目立っていた。
その少女の名は、アルル・フレデレカ
「みさき、嫌い。ろくに、4人を
仕留められないなんて。」
「アルル・・・そんなに、みさき
をいじめないで・・・。可愛そうです・・・。」
後から声がして、アルルはむすっとする。
振り向いた先には、緑の髪の少女がいた。
「何よ。レノン。みさき役をあんたが変わってもいいのよ。」
レノンと呼ばれる女は、フードをかぶっていた。
もじもじして恥ずかしがっていた。
「そっ・・・それは・・・」
はっきり決まらない。レノンは困っていると、
「そこまでにしないか。アルル」
ぴしゃりと甲高い声が聞こえた。
コツコツコツ・・・・。
派手な衣装に身を包んだ女が
こちらに向かってくる。隣に青年を連れて。
「ふぁーーあ。」
隣の青年は大きなあくびをした。
「クロは、眠いのか?」
それを見て派手な衣装の女が聞いた。
「少し寝不足で。でも魔女様の
お話とあらば、僕は目を開きしっかり役目を果たしますよ。」
そういって、暗闇の中のクマの人形に
クロは、腰を下ろした。
すっぽりはまってイスのようだ。
レノンは、魔女の前に行き、質問をした。
「魔女様・・・今回は何ですか?殺す・・・とかですか?」
魔女はにたりと笑って見下ろす。
「レノン・・・案ずるな。
お前の力ともあればたやすく殺せる相手だ。」
魔女様の笑みが始まったのだ。
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