Phantom

□第十八章 闇夜に沈む者達
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「♪〜私は、魔女様のお人形。
お目々をくりぬかれたって泣かないわ。
私は、魔女様のお人形。
口を縫い付けられたって叫ばないわ。
私は、魔女様のお人形。
心臓をとられたって死なないわ。」

たった1人。闇の中で、大きい熊のぬいぐる
みを抱えてたくさんの死体の上で少女は
歌っていた。
「・・・・た・・・助けて!!」
大量の死体の中で、1人の男性が少し生きていた。
「・・・何で、生きたいの?」
少女が問う。
「お・・・・俺は・・・・家族が・・・」

グシャッ

ヒールのある靴でおもいっきり頭を蹴られ
た。
男性は、死体と同化し、血しぶきは少女に
かかった。
「やだ・・・。フランスのドレスが。」
白い髪が、赤く染まる。
ピンクの可愛らしいドレスが赤く染まる。
ただ染まらないのは、血と同じ赤い目だけ。
「ここも、はずれなのね。」
そう言って、少女は熊のぬいぐるみを抱え
立ち上がり、部屋の扉を開け、出て行った。
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