共同作品
□再会
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今日は、何だか運が良い。
いつもは、友人達と登下校は
常に一緒なのだが、あいにく、
そいつらは赤点の追試で俺だけが免れた。
内心、大喜びで仕方ない。
・・・・それだけじゃない。
朝飲む、茶に茶柱が立っていたこともあったし、
目玉焼きの黄身が二つだったこともある。
給食、おかわりジャンケン連勝。
授業中珍しく、あてられなかった。
俺の全ての幸運を使い果たしたのではないかという程に
今日はついていた。
そんな、浮かれ顔で道を歩いていると人にぶつかった。
いよいよ、運を使い果たしたのか。
「痛ッ・・・・」
おびえ眼で相手を見る。
ただただ、ヤクザでは無い事を祈ろう。
「・・・・あれ、空じゃないか」
見た事のある懐かしい顔。
こいつは・・・・
「綯蔚菟!!」
俺が、驚いた表情でいると、綯蔚菟が苦しそうな顔で
久しぶりとか弱い声で呟いた。