PhantomU

□第三章 I wake
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「この状況は何だ。」
城を出て、城下町に一軸椿はいた。
城下町では、おかしな噂が流れ、変に動揺
した住民達が慌しく移動している。
よく周りを見渡すと、慌てているのは皆が皆
ではないような気がする。
女子供、女が主に慌て、男達がそれを静止す
るという動作が目に付く。
これは、一体何なのだろうか。
噂の内容だって、副指揮官までもが知らな
い。勝手に住民が噂を流し慌てているだけの
事。しかし、このまま放って置く訳には
いかない。そこで、椿が噂の内容調査に
派遣されたのだ。
「おい、そこの娘。」
自分の方が娘のような気がするが、気にしな
い。力では、あちらの方が娘だ。
しかし・・・
「きゃああああっ!!魔女よ!!魔女!!さらいに
来たのね!!きゃああああっ!!」
どこまでも、叫ぶ。慌てふためく。
どうしたものか。
「落ち着け!!私は、魔女ではない!!誰だ?
その、デマな噂を流したのは!!」
椿が、女の肩を触る。
そして、軽くゆする。
こんな動作、どこに死を予想する?
私は、ごく自然に流れるままに行動したのみ
だ。私は、決して悪くない。
悪いはずがないじゃないか。
触れられた女は、力なく後頭部から地面に倒れた。頭を強く打ち付けた。
白目をむき、口からは泡が。
触れた筈の肩は砂と化し、ボロボロだ。
「・・・・ま・・・・じょ」
その女の脈は、その私の行動により
止まってしまった。
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