Phantom

□第三章 夢見た少年
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ヒュイイイインッ
青空から降ってきた何かのヴェールに包まれた。
「お前は生身の人間だ。ここにいれば、安全だ。」
俺はその言葉はあまり信用していなかった。
「おい。前に、トマトみたいな変なのいるぞ!」
それは、頭がトマトで体が人形
目は1つしかなく、ギョロギョロ
動いている。
「おい。早く倒せよ!!」
一軸はその言葉に返事をせずに差し出した。
「・・・コレを飲め。」
一軸が出したのは赤い飴。
「何コレ。飴?そんな場合じゃ・・・」
「いいから。」
一軸はヒョイッと赤い飴みたいなのを俺の口に運んだ。
「うわっ苦っ!!」
のどが痛みに襲われた。
その痛みが頭までまわり、
痛みが体全体に指令を出している感じだった。
右手を差し出せ。
脳が言っている気がした。
言われるまま差し出した。
気付けば、手で大きな大剣を握り締めていた。
「やはりか。」
一軸がボソッと言った。
「え・・・・何が?」
「いいから。前向け。獣が2ついるんだ。」
「・・・ああ。」
その剣は重くは無かった。
軽々と持てて、俺は体が軽くなった気持ちだった。
狼が俺の構えを見ておびえた。
グァー!!!!

グァーーー!!!!

耳が痛くなるほどの声だった。
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