Phantom

□第六章 悲しき世界の真実
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「それじゃあ早速。知りたい事はなあに?」
真紀さんは俺達の知りたい事を知っている。ならば聞かねば。
「私、武器について知りたい!!
手持ちのヌンチャクが、しゅばばばばばーーーって強くなったの!!」
瀬山が一番に聞いた。
「椿。あんた赤の丸あげたの?」
一軸がきぱっと
「はい。あげました。」
一軸の返答を聞いて、真紀さんはため息を軽くつく。
「やっぱり、最初から話すわね。」
そこから息をすうっと吸って
話し始めた。
「皆・・・ここが数百年後の世界ですって言ったら、信じる?」
いきなりの質問で驚いた。
「え?数百年後 ・・・ですか?」
俺が言う。
「そうよ。私も昔、ここの偉い人から聞いた話で少し曖昧だけど。
Phantomは数百年後の世界なの。
つまり、えーと・・・。君の名前なんだっけ?」
俺のほうに指をさして問いかける。
「空です。長谷川空。」
名前を教えると、真紀さんは頷いてまた話し始めた。
「じゃあ、空君。君が学校の大きな木からこちらに来たと
一軸から聞いたけどあそこ、砂漠だったじゃない?」
「はい。」
何だかすごく嫌な予感がした。
「あれが大きな木の数百年後。」
やはりか。その言葉を聞いて
少し驚いたが、3人は更に驚いていた。
「数百年後は数百年後の武器で
数百年後の獣を倒さなきゃいけないの。じゃなきゃ、
いつか貴方達の世界にも獣が出るわけ。」
瀬山が、驚き半分で口を開いた。
「え・・・でもさ、でもさ。私の武器、ヌンチャクだったよ?
それって、私が持ってた手持ちの武器だし・・・。
数百年後の獣は数百年後の武器じゃなきゃ
倒せないなら、なんで私は倒せたのー?」
その質問には一軸が答えた。
「赤い飴玉みたいなのをあげただろう。赤の丸≠ニ言うのだが。
あれは3分間だけ手持ちの物を強化するものだ。」
・・・強化する?
「だったら、誰でも良いじゃん。てきとーに獣を倒したい人連れてきて
倒してもらえば良くねーか。それ。」
真紀さんが首を横に振る。
「だめなのよ。赤の丸はPhantomの世界に選ばれた人しか物を強化できないのよ。
まあ、簡単に言うなら今後、Phantom内でPhantom内での武器を召喚できる見込みの
ある人・・・って言えばわかるかしら?」
ってことは、瀬山は武器を召喚できる人なのか。
・・・え?
「俺が倒さなきゃいけないのか!?」
真紀さんがにこっと笑って
「ピンポーン」
と一言。
「じゃあ、俺は獣って奴を倒さなきゃいけないんですよね。
あの獣って数百年後の動物とかっすか?俺達を襲う事しか脳がない・・・。」
真紀さんの顔が少し曇った。
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