Phantom

□第八章 飛べ
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場所は変わり、Phantomの城の外で。

智也も落ちてきたのが見えた。
ただひとつ違うのは、竜に乗っている事。
「ともやーーんっ!!」
瀬山が手をぶんぶんと振って合図をした。
「薄井ーーーー!!」
花村は手を口元に当てて叫ぶ。
「智也ぁぁぁっ!!」
俺はただ見上げて叫ぶだけ。
それにあわせて智也はニコっと笑う。
すたっと地面に着地し、3人の顔を
見て、謝った。
「ごめん。遅くなって。」
智也は頭を下げるが
「何謝ってんのよ。かっこつけちゃってさ。」
花村は言う。瀬山も頷き俺も。
「これ、なーーに?」
瀬山はそういって智也の隣にいる竜に指を指す。
「俺の武器。木竜。」
俺は少し驚いた。
「すげぇ・・・。」
そういって、竜に見られた。
『これはこれは。空殿。』
俺の名前を知っている事にも驚いた。
「はぁ・・・こんにちは?」
俺が疑問に思いながらも挨拶をした。
「こんにちは。木竜さん。」
花村が続けて挨拶をする。
「こんちわーーー!!!」
瀬山も。
『これが、お前の信じる仲間か。良い顔をするのだな。
今はお主に仕える身。背に乗せてサラとやらの所まで運びましょう。』
そう言って、4人で木竜の背中に乗り、飛んだ。
風が心地よくて、いつまでも乗っていたい気分だったが、
サラが見えたから木竜から飛び降りて、走った。その時のサラはもう、何もかも分かっていた。
「大丈夫か!?皆!」
駆け寄ってきてくれた。
とても優しく。
「サラ、俺達を元の場所に返してくれ!!」
サラは、頷いて「こっちだ。」
そういって、城の裏側に走った。
そこには、城の入り口と違い、
少し小さめの頑丈な扉があった。
「ここだ。この扉を10秒だけ開ける。それ以上は、開けられない。
悪い奴が外に出るかもしれぬからな。」
そう言って、サラは門の隣にたった。
「準備が整ったら私に声をかけてくれ。開けてやろう。」
サラは、それだけ言って無言になった。
一番に俺が行った。
「俺、行くわ。サラお願い。」
サラは頷いて門を開けてくれた。
俺は時間がもったいないからすぐに門に入った。
続いて、花村、瀬山、智也。
4人が門に入った。






その後。
サラの目の前に少女が現れた。
「あ・・・の・・・、Phantomに来た、人間さんって・・・今のですか・・・・?」
緑の髪の、照れ屋な少女。レノンだった。
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