Phantom

□第九章 止まらぬ時間
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その夜は、眠れなかった。
智也の母さんの上手い飯を腹
イッパイ食べて、幸せだった。
寝る時は、智也と同じ部屋で、
くだらない冗談話やら、Phantomでの智也の危機の話しを
何度も聞かされたりだとか。
話すだけ話して、眠くなったら
智也はすぐに寝てしまったが、
俺は眠れなかった。
確かに疲れてはいたが。

枕が替わって眠れないのかも。

あの後、一軸はどうなったのか。

夕日にばれないだろうか。

明日はどう過ごすべきか。

八雲出にも話したい・・・・。
とか、色々考えているうちに
眠れなかった。
気付けば、いつの間にか眠っていて
朝はいつも通りきちんと起きた。
次の日は学校だったから、4人で
登校した。夕日は創立記念日で
幼稚園は休みだった。
「いってらっしゃーーい」
夕日が玄関で手を振り別れた。
瀬山と花村で楽しそうに語り合い、智也は俺に必死で話す。
でも考え事をしてて、全然聞いてなかった。
「そ・・・・」
あの後、Phantomは無事だったのか
「・・・・ら・・・」
みさきって、いったい何者なんだ
「そらぁあぁぁあぁぁっ!!」
智也が叫んでいた。
「智也!やめろ!恥ずかしい!」
そう言って落ち着かせる。
「空はいつも、考え事すると俺の話し無視するよな。それ、悪いクセ!」
智也に叱られてしまった。俺とした事が。
智也に叱られても、まだ少し考えていた。
だって、一軸が最後に妙な事を言うし。
でも、何で『みさき』って男は俺達をすぐに
殺さないで、花村にキスなんかしたんだろう。
「はせ・・・・」
すぐに殺せば、俺たちは逃げなかったんだ。
「・・・がわ・・・」
そこも気になるな・・・
「長谷川!!!」
うわっと。少し驚く。
気がつけば、学校の教室で6時限目だった。
あれ・・・?弁当は?休み時間は?
なんか、もうとっくに過ぎていた。
「なんすか・・・。」
一応返事はしといた方が良いだろう。
面倒に巻き込まれるし。
「テスト。取りに来い。」
テストか・・・。どうせ・・・。
「満点だ。」
周りが、おおーっとどよめくのが聞こえる。
こんなの出来て当然。簡単すぎだろう。
俺のクラスは頭悪いからな・・・。
そうして、椅子につきまた考え始めた。
でも、頭の中でぐちゃぐちゃになって
6時限目終了のチャイムと同時に
考える事をやめた。
そして、帰りも4人で帰る。
何か、今日一日、超早かった・・・。
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