短編小説

□恋心(爽子side)
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「ねぇ、あれ爽ちゃんの彼氏じゃない?」

「え?」


授業中、隣の席の仲のいい友達が廊下側の窓を指差して教えてくれた。

あ、ほんとだ!

翔太くんも友だちと一緒みたい。
笑顔で手を振っているので私も小さく振り返す。


翔太くんが思いついたように口パクで何か話してるけど何のことかわからない。

わからないよーって口パクで返すと、何を思ったのか教室に入ってきた!

―――えぇ!?ちょっと!!?



「へへ、来ちゃった☆」
…そんな爽やかに言われても…先生見てなかったからよかったけど。


「今何の授業?」

翔太が爽子のノートをのぞき込んでくる。


――ちっ近いよ!!授業に集中できない(汗)



そんな爽子の気持ちを知ってか知らずか、翔太は爽子を見てくる。



――絶対私今顔真っ赤だ…。


「しょ、翔太くん?お友達はよかったの?」

「いーのいーの!爽子とこうやって授業出てみたかったし。」





――翔太くんなんかいつもと違わない!?

「何かあった??」

思わず聞いてしまった。


だって、いつもならこんな周りに人の多いところではあんまり言わないようなこと言うから。


そしたら翔太くんの顔がどんどん赤くなって…




「それでは本日の授業はここまでとします。」

ガタガタと生徒が席を立ち帰り始める。



「じゃ、俺、次授業あるし行くわ!!また終わったらメールする!!」

「えぇ!?う、うん…」

結局何の答えも聞けないまま翔太くんは行ってしまった。



「……何があったんだろう。」

呆然としていると、隣から肩をポンッと叩かれる。
「爽ちゃん、愛されてるね〜(ニヤニヤ)」

後ろの席からも、
「もうあんたら仲良すぎ!恥ずかしくて見てらんなかったよ〜!お詫びに今度彼氏に合コンセッティングしてって言っといて(笑)」


「…う、うん。言ってみるよ…」







帰りにも聞いてみたけど、なんだかはぐらかされてしまった。



ご精読ありがとうございました!

翔太編とセットになってます☆
個人的に爽子より翔太に頑張ってもらいたい!という気持ちが強いのでどーしても爽子が受け身がちな話が多くなってしまいます…

こんなんでよければ今後もお付き合い下さい。




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