庭球部

□ネコと子ヒョウの二重奏
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「金ちゃーんっ。どこにおるとー?」


おやおや。

こんな山奥で、人の声が響きます。

四天宝寺にある裏山は、今日もポカポカといい感じ。

すぐそこの草むらに寝転んで、寝てしまいたいような陽気です。


「金ちゃーん」

「にゃあ!」

「うおっ!? ……って、久しぶりたい! どこにおったとね、シロー」

「にゃあ」


千歳くんの足元から飛び出してきたのは、一匹のシロネコちゃん。

その子を上手に抱きとめて、よしよしと頭をなでます。

どうやら、仲良しのようですね。

ごろごろと気持ち良さそうに喉を鳴らすネコちゃんを、千歳くんは頭の上に乗せてあげました。

そこが、ネコちゃんの指定席なのでしょうか。


「シロも一緒に探すばい」

「にゃあ!」


そうしてまた、千歳くんは草をかきわけて歩き出しました。




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