00 短編

□9話 拭えぬ過去
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「この前様子が変だったのは奴の存在を知ったからだったのか」
「……ああ」
部屋で休んでいるとティエリアが俺の部屋に顔を出した
「……何故ニールはいないのに、アイツが生きているんだ!!」
「……仇は必ずとる。休むぞ」
「ん……」
ベッドに入ったティエリアの横に入り込んだ
「……ライル・ディランディにあそこまでいう必要はなかったんじゃないか」
「……いや、ロックオン・ストラトスは全てを知る必要がある」
「……ロックオン・ストラトス、いや…ニール・ディランディは君の過去を知っても君を受け入れたのだろう。それなら君がいつまでも引きずることはないんじゃないか」
「いや、俺の罪だ。咎を受けなくてはならない。忘れてはいけないことだ」
「……そんなに自分を追い詰めて辛くないのか」
「………………」
「……もう休め」
ティエリアが頭を撫でてくれたので目を閉じたが今日は眠れそうにない



今日はティエリアの方が先に眠ってしまったようだ
全然眠れない
少し歩いてくるか


トレミー内をグルグル回る
やはり夜だからか誰とも会わない
ぼーっとしながら外を眺めていた
暗い海
「セツナ、セツナ」
「ハロ?」
なんでハロが?
俺の膝に収まるハロ
「ハロ、急にどうしたんだよ?」
「……ロックオン・ストラトス」
「なんだ。刹那を見つけて飛んでったのか」
「セツナ、セツナ」
「眠れないのか?」
「……ああ」
「俺もだ」
「……あんたは……」
「ん?」
「本当に、俺が憎くないのか?仇がここにいるんだぞ」
「俺は兄さんほどじゃないって言っただろ。過去とは吹っ切れたんだ」
「だが」
「お前は兄さんと同じ。過去を吹っ切れてないんだな」
「………………」
「あんまり詰め込みすぎると疲れるぞ。よーく眠れるようになんかおいしいコーヒーいれてやろうか。……いや、子供にコーヒーを与えると身長伸びなくなるっていうし眠れなくなるよな」
「……もう子供じゃない」
その台詞、昔も聞いた
「ほれ」
「……ミ、ルク」
「俺の奢りだ」
ロックオン……
ニール……
「っていっても勝手に温めただけだけどな……せ、刹那!?なんで泣いてるんだよ!?」
「ナカセタ、ナカセタ」
「ハロは黙ってろって。刹那、どうしたんだよ?」
「……ル……」
「ん?」
「……ニール」
「……なんだ、刹那?」
ロックオンが抱きしめてくれる
「なんで奴は生きているのに……お前はいないんだ……」
「うん」
「……俺を、1人にするな……」
「……刹那は1人じゃないだろ?仲間がいる」
「でもニールがいない!!」
いない
ニールがいないんだ
「う……あぁぁぁ」
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