00 短編

□15話 反抗の凱歌
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「刹那、過去によって変えられるものは今の自分の気持ちだけだ。他は何も変わらねぇ。他人の気持ちや、ましてや命は」
「ロックオン……」
右目を眼帯で隠し
パイロットスーツに身を包んでいるそいつはライル・ディランディなわけはなく
「……ニール」
「大きくなったなー刹那」
そう言って2年前と同じ笑顔を浮かべながら頭を撫でてくれる
「ど……して……」
「可愛い俺のせっちゃんが心配でな」
「……ニール……」
「これまで、よく頑張ったな」
ニールは俺をそっと抱き締めてくれた
「ニール……ニール……」
「刹那」
「ニール……俺は……お前に許してもらえるのだろうか……」
俺は、ニールを助けられなかった
「俺がお前に腹たってるように見えるか」
「…………」
「俺が私怨に走ったせいだ。刹那のせいじゃない」
「でも……」
「お前は1人で何でも抱え込みすぎるんだよ。みんな刹那のこと大好きだから、頼ってほしいって思ってるんだぞ」
ニールは頭を撫でながら小さな子供に言い聞かせるよう俺に語りかける
「でも、ニールがいない……」
そのせいか俺も子供みたいに駄々をこねてしまう
「刹那……」
「俺は、ニールさえいてくれたらいいのに……」
他には何も望まない
ニールに側にいてほしい
「……俺のほうこそごめんな。刹那を1人にして……ずっと一緒にいようって約束したのにな」
「ニール……」
「……刹那は俺といたい?」
「??」
「もし、一緒にいたいなら……俺と一緒に、行(逝)くか?」
「ニールと、一緒に……」
そうできるならなんて幸せなんだろう
自分の罪を全て捨てて
愛する人と一緒に
「……でも、お前は今それを望んでないんだろ?」
「大人らしく我慢すればな。本心は連れて逝きたい。でも、今連れて逝ったら刹那が後悔する」
「俺は、世界を変える。ニールが望む世界に……そしたら、迎えに来てくれ」
「ああ」
「……遅れるなよ」
「わかったるよ。じゃあそれまでは俺が守るよ。刹那と一緒に俺も戦う」
「ありがとう」
「愛してるよ、刹那」
「俺もだ」
ニールの唇が俺の唇と重なる
唇が離れたのと同時にニールの身体も離れていく
「刹那、お前は変われ。変わらなかった俺の代わりに」
わかっている、ニール
ここで俺は変わる
俺自身を変革させる



END
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