00 短編

□20話 アニュー・リターン
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「刹那、治療をするから来い」
「ああ……ティエリア、手を出さないでくれてありがとう」
アニュー・リターナーを刹那が撃った
そのことでライル・ディランディは怒り狂い刹那を殴り続けた
刹那は、恨まれることがわかっていた
だから俺に止めるなと言っていたのだろう
「……しみるだろうが我慢しろ」
「……ああ」
痛々しい殴られたアト
見ているこちらまで痛くなりそうだ
「……ティエリア、なぜお前が泣きそうなんだ」
「……何故我慢できる」
湿布を貼ったその上から刹那の頬を撫でた
「………………」
「刹那、大丈夫?」
「……アレルヤ……大丈夫だ」
「……大丈夫なようには僕には見えないな」
アレルヤは俺と同じように刹那の反対の頬を撫でた
「……お前が今思っていることを話してみろ」
「???」
刹那は1人で何でも抱えようとする
昔なら、それをわかって聞いてあげられる存在がいた
誰も信じられなかった子供が
神さえも信じられなかった子供が
唯一信じられた絶対の存在
かつてのロックオン・ストラトス
ニール・ディランディ
その彼はもういない
それなら俺たちが刹那の話しを聞けばいい
1人で何でも抱えようとする子供の心が少しでも軽くなるように
「……あの時の彼女は、アニュー・リターナーではなかった。何かに取り込まれていた」
「何かに?」
「どうしてそう感じたの?」
「……どうしてだろうな。だが確信があった。それに、あのままではライル・ディランディは死んでいた」
「「………………」」
確かに刹那の言うとおりだ
「……ニールは、ライルを争いに関わらせたくなかった。しかし、俺がマイスターとして彼を争いに関わらせてしまった」
刹那はそう言うが彼はカタロンに所属していた
刹那が引き込む前から争いに関わっていた
「ライルは死なせない。ニールが守りたかった者を俺が守る。そうでなくては、俺はニールに顔向けできない」
「血がでる」
きつく唇を噛み締める刹那の唇に指を添えた
「……それに、ライルはアニューを撃てなかった……いや、もし撃てたとしても後悔していた。俺が、両親を
この手で殺めて後悔したように」
かつて刹那はアリー・アス・サーシェスの誤った教えの元、その手でご両親を手にかけたときいた
そして、それが刹那の変えたかった過去だと
「刹那……君は優しすぎる」
「俺は優しくなどない」
「お前が優しくないというならこの世界に優しい人間など存在しない」
「……ティエリアやアレルヤ、トレミークルー、そしてニール。みんな優しい」
「……そう思える刹那だって優しいんだよ」
アレルヤはそっと刹那の髪を梳いた
「今日はもう休もうか、刹那」
「休めるうちに休んでおけ」
「……ああ」
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