00 短編

□相互記念A ニル刹Ver
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『今すぐ日本の俺の隠れ家に来い』
いきなりの恋人からの連絡
何かあったのではないかと慌ててガンダムで日本に向かった
「刹那!!」
刹那の隠れ家にしているアパートのドアを叩くが出てこねぇ
いないのか!?
やっぱり何かあったんじゃ……
「ハロ、ロックを強制解除だ」
「リョーカイ。リョーカイ」
いてもたってもいられなくて連れてきていたハロにロックを解除してもらおうとした
「……うるさい。近所めーわくだ」
後ろから愛しい人の声が聞こえる
振り向くと相変わらずのポーカーフェイスだが、いつもよりもやや不機嫌そうな刹那が立っていた
「刹那、無事だったんだな」
「??なんのことだ?」
今度はきょとんと不思議そうにしている
初めてあった時より全然表情が読めるようになった
「ハロ、悪いんだが留守番を頼む」
「えっ?刹那?」
「リョーカイ。リョーカイ」
刹那は俺からハロを取り上げ部屋の中に入れる
留守番って……どっかいくのか?
「行くぞ」
「え?え?」
ハロだけを部屋に入れて俺の手を引き刹那は歩きだした
「どこ行くんだ?」
「いいからついてこい」
目的地を訪ねても教えてくれないし



ただただ歩いていた刹那が突如歩みを止めた
「……これをニールに見せたかった」
刹那が見上げた先には大きな1本の木
幹には白みがかったピンクの小さな花が咲いている
「桜というらしい。日本にしかない花だそうだ」
「綺麗だな」
「ああ、だからニールにも見せたかった」
「ありがとうな、刹那」
刹那の癖っ毛の髪を撫でてやると甘えるように俺に身体を預けてきた
「でも、通信では要件くらいちゃんと言えよ?刹那に何かあったんじゃないかって気が気じゃなかったんだぜ?」
「……すまない。そろそろ散ってしまうって聞いたから、その前にニールに見せたくて……」
しゅんとしちゃって……
「可愛いすぎるだろ!!」
「バカッ!!」
ぎゅーっと抱きしめて頬ずりすると刹那は顔を真っ赤にして悪態をつくが満更でもないようだ
俺が言う可愛いは大好きだっていう意味だって教えこんだからな
「……大好きだよ、刹那」
「……あぁ」
照れて俯いてしまった刹那は話題を変えた
「それ、より…急いで来てくれたと言っても早すぎないか?」
「そりゃ、せっかくのオフなんで愛しい愛しいせっちゃんに逢いに行こうとしてた途中だったもんでね」
からかうように言うと更に顔を赤くして
見られないようにと俺の胸に顔を埋める
「で、この後は?」
「………………」
「ハロを留守番に置いてきたってことは俺と2人っきりでデートするためだろ?」
“デート”を強調して言ってやる
顔を上げてくれないから表情はわからないが図星だろ
「せっちゃんはどこにエスコートしてくれるのかなー?」
「……あまり調子に乗るなよ」
ってそんな可愛い顔で睨まれてもなー
調子に乗るなって言われても無理がある
嬉しすぎて浮かれてもいいだろ
「……にやけすぎだ、バカ」
自覚はあったが、やっぱりにやけてるか
「……ニール」
「ん?」
乱暴に俺の服を引っ張られ耳元に唇を寄せられる
「     」
「………………」
耳元で囁かれた言葉が余りにも刹那にしてみれば意外な言葉で
一瞬呆けた後、理解した俺は柄にもなく赤面することになった
俺の反応に満足そうに笑って刹那は歩いていく
「……デートしないのか?」
未だに惚けていた俺だったが刹那の言葉にハッとして慌てて後を追いかけた
「全く、お前はほんと男前だよな」
「ヘタレなお前と一緒にしてもらっては困る」
「なんだよ、ヘタレって……俺も、愛してるよ刹那」
「ああ」



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