復活 短編

□名前
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「雲雀さんと草壁さんって幼なじみなんですか?」
「テツ?うん、そうだよ」
何故急にテツの話しがでるのかわからなかったけどとりあえず綱吉の質問には答えた
それなのに綱吉は黙りこんでしまい
心なしかちょっと不機嫌になったような気もする
綱吉にしては珍しいなと思いながらも声をかけた
「テツがどうかした?」
「………………」
「綱吉?」
「…………よびかた」
「呼び方?」
「……テツって、ニックネームですよね。ニックネームで呼ぶのって……なんか仲良さそうだって骸が言い出して」
……パイナップル、殺す
「そう言われて考えてみたら……雲雀さんがニックネームで呼ぶのなんて草壁さんぐらいだし、なんか羨ましいなって思っちゃって」
「…………」
「あはは。くだらない話しですみません」
「綱吉」
笑おうとした綱吉だったけど笑えてなくて
ポロポロと涙がこぼれていた
「あ、あれ。おかしいな…なんで」
必死に涙を拭っているけど止まらないみたい
「そんなに目擦っちゃダメだよ」
綱吉の腕を押さえて目元にキスを落とす
「あんまりあの変態の言葉鵜呑みにしちゃダメだよ」
「ん……」
「それに、別にテツだけをニックネームで呼んでるわけじゃないし。変態だってニックネームでしょ?」
「えっと……別に骸のニックネームは変態じゃないと」
「じゃあパイナップル?まぁ、どっちでもいいけどとにかく仲いいからニックネームとか僕には関係ないことだし、そもそも僕には綱吉以外はどうでもいい」
「ひばりさ……」
「テツとは本当に昔から一緒にいたから自然とそう呼んでるだけだよ。綱吉をツナって呼ばないのは他の人たちも呼んでるから」
「え?」
「僕だけでしょ?綱吉って呼ぶの」
変態は論外
あのパイナップルはそのうち僕が存在もなかったものとして処分するんだからね
そう言うと綱吉はおかしそうに笑ってくれた
もう涙も止まったね
「でも綱吉が嫌ならテツのこと名字で呼ぶけど」
「いえ、いいんです。俺も、変に嫉妬しちゃってすみませんでした」
「嬉しいよ、綱吉が嫉妬してくれて。じゃあ、ちょっと行ってくるね」
「はい、行ってらっしゃい。……ってどこに行くんですか?」
「え?変態の存在を抹消しに」
「えっ…ま、待って下さい!!」
「大丈夫。この世界からパイナップルなんて存在、最初からなかったことにしてあげるよ」
「ひ、人殺しはダメですよ〜」
あんな奴の為に綱吉が必死になることないのに
「じゃあ綱吉が僕の名前呼べたら考えてあげるよ」
「えぇっ!?」
「さぁ、どうする?」
「…………や……さ」
「聞こえないよ」
「……きょーやさん」
うん、やっぱり可愛い
「可愛いよ、綱吉。今すぐ襲いたいけどちょっと行ってくるね」
「えっ!?名前呼んだら止めてくれるって言ったじゃないですか」
「止めるとは言ってない。考えるって言ったんだよ。考えた結果綱吉の名前呼んでいいのは僕だけでいいと思うんだ」
「雲雀さん、それ屁理屈っていうんですよ!!」
「わぉ。君、そんな言葉知ってるの」
「雲雀さんは俺のことバカにしすぎです」
だって可愛いんだもん
からかったときの綱吉の反応が
「僕の名前呼ぶの許しているのは綱吉だけだよ」
「雲雀さん……」
……そういえば許してもいないのに呼んでくる跳ね馬がいたね
あれも消そう
「だから、呼んでよ」
「……きょーやさん…………好きです」
「……わぉ」
不意打ちだ
全く、この子は
「ふぇ?雲雀さん、なんで押し倒すんですか?」
「君が可愛すぎるのがいけないんだよ。大人しく僕に食べられて」
「ちょっ、ひば…さっ…あっ……」





僕の特別は君にあげる
だから君の特別も僕にちょうだい?
 

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