00 短編

□12話 空で待ってる
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《ライル・ディランディの場合》



「別嬪さんの顔殴らなくてもいいのにな」
「……俺の言い方が悪かったんだ」
「不器用なんだよ、お前は」
「……お前の兄に言われて自覚はしていた」
刹那の頬に手を触れた
「熱持ってんなー痛いか?」
「当たり前だ」
ムスッとして言い返れたので苦笑いを返す
「手当てしてやるから医務室行くぞ」
「別にあんたにしてもらわなくてもアニュー・リターナに頼む」
「ダメだ。俺がしてやるよ」
「何故だ」
「お前さんが誰かに触られるのはイヤだからな」
「意味がわからない」
ガキだなー
独占欲ってやつだよ
兄さんだって強かっただろ?独占欲
「ほら、行くぞ」
腕を掴んで強引に部屋から連れ出した
「刹那、探してた……」
「次のミッションのことで話が……」
「アレルヤ?ティエリア?」
廊下を歩いてきた2人が言葉を止めた
「……刹那、頬どうしたの?」
「……別に」
「どうしたんだ?」
「刹那?」
誤魔化しきれないと思ったんだろ
珍しく素直に事実を述べた
「……殴られた……さ」
“沙慈・クロスロードに”
そう続けるつもりだったんだろうが
「ライル・ディランディ!!万死に値する!!」
「へ?ちょっ…待て待て待て!!俺じゃないって!!」
「あなたの兄には前科がありますからねー」
兄さん、何してるんだよ
「ちょっと待て、2人とも。ライル・ディランディじゃ……」
「刹那、こんな奴庇ってやることはない」
「そうだよ。刹那は優しいね」
「だ、だから俺じゃ……ギャアァァァ!!」



→アレルヤ
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