00 短編

□相互記念@
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「刹那、大丈夫か?」
「……ライル」
苦しそうにベッドに横になっている刹那の頬に手を添える

「だい、丈夫だ。ただ、腹が痛いだけだ」
「何か悪い物でも食ったのか?」
普段は何かと無理している刹那が寝込むくらいだ
相当きついのだろう
身体を丸めて痛みに耐えているようだ
「……知ら、ない」
「くそっ、俺にはなんもできねぇ」
苦しそうにしている恋人の側にいて脂汗を拭ってやることしかできねぇのかよ
「確か、昔母さんは腹を温めればいいって言ってたような……ちょっと待ってろ。何か探して…」
部屋から出ていこうと立ち上がる俺の服の裾が掴まれる
「どうした?」
「……ここにいろ」
「刹那?」
「……腹を温めればいいなら、あんたが一緒に寝て温めてくれ」
「……りょーかい」
珍しい刹那のおねだりには驚いたがかなり嬉しい
丸まっている刹那を抱きしめる
小さいからスッポリ俺の腕の中に収まる
「寝れるようなら寝ちまえ」
「ん……」
胸に顔を押し付けてくる刹那の頭を撫でながら顔中にキスを落とす
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