00 短編

□未来を共に…
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「せつな……」
昔クリスが教えてくれた
嬉しくても涙がでるって本当なんだね
「驚かせてしまってすまない」
泣いてしまった私に勘違いしたみたいで刹那が珍しく困ったように笑っている
「違うの。嬉しかったから……とっても嬉しい時も涙ってでるんだよ」
刹那の手をそっと握ると刹那はどこかほっとしたように笑った
「刹那、好きだよ」
「ああ、俺もだ」
私が顔を真っ赤にすると刹那の顔も赤くなって
「顔真っ赤だよ」
「フェルトもな」
そう指摘すると刹那にも指摘される
その会話がおかしくて笑っていると刹那も笑いながら片方の手はお互い指を絡め、もう片方の手で涙を拭ってくれた
「……次の休み、一緒に地上に降りないか?」
「うん」
「……ニールの墓参りに行きたいんだ。ニールがそこにいるわけじゃないけど……きっとあいつなら家族と共に眠るためにあの場所に帰っていると思うから」
刹那が地上に降りる度にロックオンの家族のお墓に行ってたことはなんとなく気づいてた
「……ロックオンはきっと刹那と共にいると思う。刹那の側で見守っててくれてるんだよ」
「ありがとう…墓参りに行く前にこの花を見つけた場所に寄っていこう。フェルトにも直接見せてやりたいしニールにも持っていってやりたい」
「……私も行っていいの?刹那、ゆっくりニールと話したいんじゃないの?」
「ちゃんとフェルトとのことを紹介したい。ダメか?」
「ダメじゃない。連れていって」
「ああ」
「お花、トレミーでも育てたいね。それで今度行くときは私たちが育てた花を持っていってあげたい」
「そうだな……俺にも、花を育てることが出きるだろうか?戦うことしかできない俺が……」
「私も花を育てたことないの。一緒に育てよ?刹那ならできるよ」
「……ありがとう」
「刹那いるか?ヴェーダ、というかティエリアがいつもの如く刹那と話しがしたいとモニターにメッセージを……」
「グレイスさん、プログラミングのことで……」
私たちに用事があったらしいライルとミレイナの登場に驚いて、慌てて手を離そうとしたんだけど刹那がぎゅっと握ったまま離してくれない
「えーと……もしかして邪魔したか?」
「ああ」
「ちょっ、刹那」
「つかぬことをお聞きしますがもしかしてお2人は恋人なのですか!?」
「ああ」
ライルとミレイナの質問に一刀両断してしまう刹那
「待て待て刹那!!俺があんなに口説いてたのにどういうことだよ!?兄さんしか興味がなかったんじゃないのかよ!?」
「フェルトは全て受け止めてくれた。俺はフェルトとこれからを生きていく」
「刹那……」
「なんだよ。ノロケかよ!!」
「やめろ」
刹那はライルに頭をぐしゃぐしゃ撫でられて嫌そうにしてる
「いつからですか!?どちらから告白されたのですか!?」
「え…えっと……」
「そーいえばティエリアに報告しなくていいのか?きっと泣くぞ、あいつ」
「ティエリアには前から相談していた。フェルトならきっと俺を受け止めてくれるって言ってくれた」
「……ティエリア」
「ちょっと、何の騒ぎ?」
「何かあったのか?」
「どうした?」
「ミレイナ、どうしたの?」
スメラギさん、ラッセ、イアンさん、リンダさん、トレミークルーみんなが集まってしまった
「パパ、ママ!!凄いです!!恋が叶ったです!!」
「はぁ?」
「誰と誰のことだよ?」
視線が私達2人に集まって恥ずかしくて下を向いた
「スメラギ・李・ノリエガ」
「何、刹那」
みんなが驚いている中スメラギさんだけは冷静でいる
もしかして、予想してたのかな?
「今1週間ほど俺達2人で休みをとっても構わないか?」
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