復活 長編

□約束
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−inツナroom
「綱吉くん!!」
ノックすることも忘れて綱吉くんの自室の部屋のドアを開ける
部屋では雲雀が綱吉くんを押し倒している真っ最中で……
「骸、ノックはちゃんとしなきゃダメだよ」
「そういう問題じゃないよ…何の用。くだらない用で邪魔したのなら咬み殺……」
雲雀がトンファーを持って僕の側に寄ってきて急に動きを止めた
「……骸、どうしたの?」
「え?」
「何泣いてるの」
気づきませんでしたがどうやら僕は泣いていたようです
「骸」
綱吉くんが自分の元にくるようにと手招きしています
こんなかっこ悪い所見せたくないのですが
「ここ」
ぽんぽんとベッドに腰掛けている自分の隣を示しました
戸惑いつつも大人しいそこに座ると
「ちょ、綱吉」
「綱吉くん!?」
体を横に引っ張られいきなりのことに体勢を崩した僕の頭は綱吉くんの膝の上に
「すごい冷や汗……怖い夢、見たの?」
綱吉くんは僕の顔にそっとタオルを当ててくださいました
「…………」
「……恭弥、喉渇いた〜ジュース飲みたい」
「……しょうがないね……パイナップル。綱吉に手出さないでよ」
雲雀が部屋から出ていきました
「天敵はいなくなったよ。話してごらん」
……気を使ってくれたんですね
「……夢を、見ました」
「どんな夢?」
綱吉くんに見られないように顔を背けた
「……前世の、夢を……」
あなたがいなくなってしまう夢を……
何度もこの辛さを味わってきたというのに
夢にまで、見せないで下さい
「……ねぇ骸、俺が骸に約束したこと覚えてる?」
綱吉くんが優しく頭を撫でてくださった





“骸さんファミリーに入ってくれますか?”
“僕が何したかあなたはわかっているんですか”
“うん……でもリング戦で助けてくれたでしょ?”
“あれは……気まぐれかもしれないでしょ”
本当はあなたが愛しいから
あなたの力になりたかった
“うん…でも…助けてくれましたし……それに、骸さんなんか寂しそうな目してたから……”
“…………”
“ご、ごめんなさい…勝手なこと言っ…”
“1つ約束して下さい”
図星をつかれて黙ってしまったので綱吉くんは僕の気に障ったと思ったんでしょう
慌てて謝ってきた綱吉くんの言葉を遮った
“……ファミリーに入ってあなたを守って差し上げます。だから……僕より先に逝かないで下さい”
綱吉くんは一瞬だけ驚いた顔をしてすぐに優しく笑いかけてくれました
“はい。約束です。あなたを1人にはしませんよ”
そして小指をたててきた綱吉くん
その小指に自分の小指を絡ませました





「覚えていて、下さったんですね」
「俺そんなにバカじゃないよ……骸を1人にしない」
「……はい。綱吉くんのせいですよ。今日僕の調子がおかしいのは」
このまま綱吉くんに甘えっぱなしというのも悔しいのでわざと憎まれ口をたたいてみます
「長期間綱吉くんと離れていたらおかしくなると言ったでしょ」
「骸は元からおかしいから大丈夫っても言ったでしょ。俺が話聞いてあげるから」
「綱吉くん……」
あなたにはかないませんね
「だから安心して寝て。俺がいるんだから何も警戒することない。精神もゆっくり休んで」
「……はい」
綱吉くんの優しい手の温もりを感じながら目を閉じた
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