オブシディアン

□手を、繋ぐだけでも
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(ここ最近、黒様もオレも忙しかったからなぁ)
化学準備室で椅子の背をギィギィと鳴らしてもたれかかりながら、はっきり言えばファイは欲求不満なのだ。
黒鋼としたくてしたくてたまらない。出来ることなら今すぐに。
……強引に誘ってみようか。
(でも、無理はダメだよねー)
欲求不満だからだろうか、黒鋼とのセックスをあれこれと思い出してしまってファイの頬が染まる。
(やっぱり上手なんだよねぇ……)
自分の身体に触れる黒鋼の掌の感触をもうすっかり覚えているし、黒鋼の身体に触れる自分の指先の感覚もよく知っている。

手を、繋ぐだけでも。
触れるだけでもいい。だめだ、触れたらきっと欲しくなってしまう。
我慢するのが辛いから昼休みだって離れているのだ。手を繋いだらもっと、もっと、もっとと欲しがるだろう。

「……黒様ぁ……」

望めば黒鋼に触れられるのに。もう、何で我慢しているのかも分からなくなってきた。

オレがこんなになっちゃったのは黒たんのせいだ!

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