ゴミ箱

□京×レオナ
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・・・いつも夢に見るのはあの光景。
全身を血で染め、腐臭の漂う部屋で呆然と立ちつくす子供。
そして・・・、牧師の服に身を包んだ男が何かを囁きかける。
『        』
何を言っているの?聞こえない、聞こえないよ・・・。


『パ・・・パ・・、マ・・マ?・・・・・い、いや・・、何で・・・?』
血に染まった部屋に震えながら佇む少女。ああ・・・、あれは私だ。
私はまたあの夢を見ている。両親が死んだときの夢。
あの時、ドアを開けた途端に聞こえた父の声。
『にっ逃げろ・・・・、○○○・・・』
其処には全身を血に染めて倒れている両親の姿。父は懸命に腕を伸ばし、私の足を掴んでいる。
『血・・・、血が・・・、』
と、その時、不意にわき上がってきたどす黒い感情。
“ドクンッ”
“ドクンッドクンッ”
熱い。体が熱い。・・・嫌・・・、これ以上踏み込んじゃだめだ・・・、でも・・・。
ふいに、『私』に近付いてきた男が私を見下ろしていた。
『まだまだですねぇ。ですが、あなたもこのまま生きていくのは寂しいでしょう?』
『私が殺してさしあげますよ・・・』
『せめて、苦しまないようにね・・・』
男が言う。その目はまるで蛇のようだ。
『やめろ!○○○○○!!その子は・・・関係ない!やめろ・・・やめて・・・くれ・・・』
やめて・・・、思い出したくない・・・、やめて、やめて、嫌、嫌、嫌嫌嫌・・・・・・・。



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