べたべた生地
□サンタと天使 ★
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ふと空を見上げれば、音もなく舞い降りてくる真っ白な冷たきモノ‥‥‥‥
手のひらに散り落ちてきたそれは、体温を感じ取って透明な雫に変化していった。
ちらり ちらり
時間が経つにつれしんしんと降り積もる雪は量を増し、手のひらには溶けきれず残ったものもどんどん積もってゆく………
その様をどこか他人事のようにじっと見つめていた……----
「レッドさん!」
聞き覚えのある心地よい音色が唱えたのは、自分の名前。
落としていた顔を上げて音の主を確認した。
立って、いたのは……
「天使…?」
金の長髪に白を象徴とした衣装。
その背には羽があるように見えた。
---思わず目を奪われてしまった。
呟いた言葉は聞かれなかったようで、天使はこちらへと歩み寄ってくる。
手が届く距離まで近づいて来た天使の少女は、表情に満面の笑みを浮かべて言った。
「捜しましたよ、レッドさん!こんなところにいたんですね!!…って、雪まみれじゃないですか!一体いつからここに…」
「…あのさ、もしかしてキミ、、イエロー?」
「?そうですけど…誰だと思ったんですか」
少女は天使ではなく、イエローだったらしい。
金の光を放つ黄色の髪と純白の衣装が羽の幻覚を見せていたようだ。
「その格好どうしたんだよ?」
「あっ、これはブルーさんが……」
発された同期の少女の名に思わず頬が引きつる。
イエローは気がついていないみたいだ。
聞くのは怖いが、続きを促す。
「…ブルーが?」
「はい、『クリスマスパーティーするから着替えなくちゃねv』と着せてくれたんです。レッドさんの分もありましたよ」
……予感はしていたがやはり自分も玩具にされるのか……(泣)
頭に浮かぶ青の瞳の少女の含んだ笑顔に、レッドはガクッと項垂れた。