ピザはいかがですか〜
□見てみないフリ
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「幸せって、一体何の事なんだろう…？」
………神様仏様お代官様……
もう誰でもいいんで、誰かオレにコイツの頭を理解出来る力をくれ…いや、クダサイ。。。
＊:見て見ないフリ:＊
頭のいい奴ってのは、どうしてこうも考えが突飛なんだろう。
例のごとく授業をサボっていたオレの所に、例のごとく現れたクリスは、また引っ張って連れ戻すのかと身構えていたオレがまるで目に入ってなんかいないように傍らを通り過ぎていき、屋上の端に張り巡らされたフェンスに手をついて背を向けた。
そんで、出始めが一番上の科白な。
クソ真面目で優秀な学級委員長様の頭ん中はどーなってんだ。訳分かんねぇし。
…おい、そこのオマエ！
今よォ、訳分かんねぇのはオレの頭がめちゃくちゃ悪いせいだとか思いやがったな？(怒)←大当たり
……否定はしねーけど、そんなに悪い訳じゃねぇからなっ！そこんとこ間違えんなよ！！(汗)
だいたいなぁ、、クリスが頭良すぎんのが問題有りすぎんだよ！！（←完璧なる八つ当たり
一体何考えてやがんだ、コイツは…。
オレが眉をひそめたままクリスの背を見つめていると、風がサァーッとオレ達の間を吹き抜ける。
「お金がたくさんあると幸せなの？ 頭を良い事が幸せなの？ 身体が健康だと幸せなの？ 安定した未来の確証があると幸せなの？――…」
「クリス…？オマエ、何言って……」
スラスラ言葉を並べるクリスに疑心が募る。
それと同時に、言いようの無い焦りが内でざわめく…。
フェンスから手を離し、こちらを振り返る動作がやけにゆっくりと、まるでスローモーションを見ているように感じた。
「…私には"幸せ"って何なのか、分からない。それは私が幸せを知らないからなのかなぁ…？」
…思わず、目を見開く。
だって、あのクリスが…
いつも真っ直ぐ前を捉えて表情を崩す事の無かった、クリスが…、、
「っねぇ‥、教えて――ゴールド‥‥っ！」
瞳を不安げに揺らし、苦しそうに歪めて……
…――泣いていた――…