こげこげ生地

□オパール:始まり:
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――僕は辛いです。
君が無理をして笑っている事が……


――私は悲しいです。
あなたが全てを一人で背負い込んで、私を頼ってくれない事が……



だからどうか、一人で悩まないで下さい………





*オパール :始まり:*





雲一つ無い青い空。

雨続きだった日がやっと終わって、家でじっとしていた子供達は久々に外の空気を吸い、太陽の光をいっぱいに浴びながらはしゃぎ、走り回っている。


そんな声を聞きながら、アルヴィスは木陰で本を読んでいた。

風がそよそよと吹き、どこか静けさを感じさせ落ち着いた雰囲気を持つこの場所は、読書をするには最適だった。



---だけれど何かが足りない…

いつも傍にあるハズの何かが……



アルヴィスは視線を本から外し、辺りをグルリと見渡した。

そして何かに気がついたようで、息を吐くように言葉を呟く。


「そうだ…。どこか違うと思ったら、ギンタがいないのか。道理で静かなわけだな」


少々憎まれ口を叩くも、返ってくる返事はない。

こんな晴れ日にはいつも底抜けな明るさを持ち、それを振りまいている少年が大声ではしゃぎながら遊んでいるのに、なぜか今日その影は見受けられなかった。


が、仮にもメルのキャプテンであるその少年。

例え何かあったとしてもきっと無事でいるだろう。



「…捜してみるか。最近、少し様子も変だったしな」


アルヴィスは本を閉じ、木に手をつきながら立ち上がる。



――もしかしたら部屋にいるのかもしれない……。



そう思い、レギンレイヴ城の方へ走り出した。




 
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