ながなが生地

□開かれた扉
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「どこまで行ったんだよ…太一の奴」


ヤマトは一旦立ち止り、乱れた呼吸を整えようと深く息を吸った。

それで少しばかり冷静になってから、太一の行動を思い返す。


「声が聞こえる…確かそう言ってたよな。俺には何も聞こえなかった…」


太一だけに聞こえていたのだろうか?

でも、何故…


自問しても答えが得られるわけでもない。

ヤマトは知らずの内に詰めていた息を吐きだした。


立ち止って考えていても埒が明かない。




真実は、太一にしかわからない。




ならば――。



手の中にある、点滅を繰り返すデジヴァイスを見やる。

時計表示で止まっていたはずのそれは、いつの間にかある一点を示していた。

太一のデジヴァイスを捉えた反応かとも思ったが、気付いたときから一向に動きを見せないところから別のものであると判別できる。





――もしかしたら違うかもしれない。

けれど、これに賭けるしかない――。





見失ってしまった以上……他に手掛かりはないのだから。






*開かれた扉*
 
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