ながなが生地
□サッカー革命
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キレイだなぁ、キャプテン。
天は二物を与えずって言うけど、キャプテンほど神様に愛されている人はそういないと思う。
ふわふわ揺れる柔らかそうな髪、責任を宿し強い意志を秘めた瞳、どんな戦況も切り拓く明晰な頭脳。
多彩な旋律と光の導き、神のタクトを紡ぎだす細長くてきれいな指。
「どうした、天馬」
じーっと遠慮なくキャプテンを見つめていたら、さすがに視線に気づいたらしい、顔を上げたキャプテンが怪訝そうに眉を顰める。
キャプテンがオレを見てくれたことに、その瞳の中心に存在していることに、胸が熱くなる。
とくん、と高鳴る鼓動。
「キャプテンに見とれてました」
嬉しくて、へらりと笑った。
キャプテンは一瞬、目を大きく見開いて、
「集中しないか」
でも、すぐふいっと横に逸らされる。
ちょっと残念だなって思ったけど、大人しく返事をして、もう一度笑った。
だってオレはその仕草が照れ隠しだと知っているから。
髪の隙間からちらりと覗く赤い耳に、胸がほっこりした。
いつもはかっこよくてキレイな、かわいいオレのキャプテン。
にこにこ笑いながら見続けるオレに、視線による羞恥に耐えかねてぷるぷる震えだしたキャプテンから大きな雷が落ちたのは、大分時間が経ってからのことだった。
「キャプテン!泣くのを我慢して涙を浮かべて目が潤んでるキャプテンもかわいいですキャプテン!!」
「もう見るな!!何の羞恥プレイだよこれ!?」
「羞恥プレイってなんですか?サッカーですか!?」
「そこにくいつくのか!?」
「ずっと見てていいってことですか!?」
「違うッ!!」
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拓天のつもりだったんだけど天拓っぽくなってしまったのは何故。
ただ天馬がキャプテン大好きでちょっとおバカちっくなだけのお話。
天馬はキャプテン大好きだと思います。尊敬とか憧れとか、そういう意味合いで。
口調勉強中。
[2012.02/08]