ながなが生地
□10のお題
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「やっと見つけたわ!ゴールドッ!」
「げっ!!クリス…」
私の姿を認識した途端、ゴールドは悪戯がバレた子供のように顔を引き攣らせる。
その時一瞬、嫌そうに歪んだ表情が浮かんだこと、それを見て胸に走った痛みは無視をして。
「げっ!とは何よ失礼ね!!そんな事よりあなた、また掃除さぼったでしょう?!」
「うっせーなぁ…一回二回でケチケチすんなよ。けちぃ女ってのはモテねぇんだぜ、委員長?」
「んなっ…モテなくて結構よ!!」
ニヤリと口端を釣り上げて笑うゴールド。
からかわれている……そう解っていても、条件反射というものは恐ろしく、ついつい反論し食いついてしまう…。
それが余計にゴールドを調子付かせているんだと、知っても乗ってしまう私も大概…いい加減に相手にしなければ良いのに。
……出来ない理由なんて、とっくに自覚しているから……。
「おっと、もうこんな時間か。」
「え…?」
はっと我に返って教室の隅に掛けられた時計を見ると、下校時刻を示す五分前――
「うそ……。」
…部活、を、休んでしまった…。しかも無断で、なんて…。
入部してから一度も欠席をしたことの無い私は、頑張ってきた部活を無断欠席してしまった事が信じられず、思わず呆然とその場に立ち尽くしてしまった。
当然、そんな私を見たゴールドが罰が悪そうに…そして何かを悔やむように舌打ちをして顔を背けたことなど、知るよしも無く……
「……オレ、シルバーと約束あっから先帰んぜ。…じゃあな。」
ガララ‥ピシャン
バタバタバタ‥‥
言いたいことだけ言って、ゴールドは廊下へ姿を消した。
走っているのだろう、慌ただしい足音が室内にまで聞こえてくる。
‥って、ちょっと待って。あしおと‥!?
「ちょ、、ッ待ちなさいゴールド…!!」
放心してる場合じゃない!
気付いた時はもう遅く、慌ててドアを開けてゴールドを捜したけれど、逃げ足の速いアイツの姿はもうそこには無かった。
「逃げられた‥‥。」
普段ならばその事実がなんだか悔しくて無駄だと思いつつ後を追いかけたりもするけれど……今日はそんな気分になれず、教室に逆戻りしてドアを閉めた。
ピシャン!
閑散とした室内に大きく響いたその音は、ゴールドが立てた時より大きくも弱く聞こえた。
「……先生と先輩に事情を話しに行かないと……」
頭で解っていても、足は床に貼り付いて身体が動かない。
ポタリ‥
何かが床に落ちて。そこだけ円状に色を変えた。
それは次々と床に吸い込まれていき、大きな波紋を作っていく。
まるで、水たまりのように。
「ッふ‥っぅ‥」
それが自分の瞳から溢れてくる涙だと認識すると同時に、今まで塞き止めていた壁が崩れ、嗚咽が零れる。
涙は頬を伝い始め、止まる事を知らず勢いを増し…
「ぅぁ‥、っく‥‥ッ!」
悔しさよりも、怒りよりも、、虚しくて、悲しかった…。
部活のことも‥‥ゴールドのことも。
…だって、いくら想ったってこの想いは彼に届きはしないのだから…
彼にとって、自分はただのクラス委員長で、関わりたくない煩わしい存在…。
私、、分かってるでしょう?
「ぅ、ぁ、、ッわあぁぁあああぁ―――っっ!!!」
――分かってるよ‥‥これは叶わぬ恋だって……
叶う事のない恋だって…分かってるから――
分かってるのに、、何で?
…何で今更、涙なんか出るんだろう…?
早く止まってしまえばいい。
こんなの、不毛だよ――。
これは叶わぬ恋だと分かってる
___________
お題第一段!
リハビリ兼ねている為、文グダグダで申し訳無いです…;;
クリス…ごめんね…。これは片思いする女の子がコンセプト(?)なので(>_<)
…何気に続く予感…?←
[2008.11/30]
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