.hack//

□‡矛盾恋愛
1ページ/5ページ





プラットホームから薄暗い森の中へひっそりと足を進めて行く。
俺は今日、一人で来ている。
みんな珍しく空いていたようでショートメールしようと思っていたが気分がのらず何となく一人で来てしまった。


「げ、ヒヨーコ…」


歩くうちモンスターの影が見えて来て思わず声が出る。
それは俺のキライな落とさなければならないモンスター。
殻を割るとかなら確実に攻撃が当たるからいいが鳥は違う。
なかなか攻撃が当たらないし時間が掛かるからキライだ。


「……」


そのまま体を翻しプラットホームへと歩きだす。
クーンへとショートメールを飛ばすとすぐに返事が帰って来た。
そして数分後青白い光に包まれてクーンが現れる。


「よっ!ハセヲ。遅くなってごめんな!」
「別に。早く行くぞ」
「ハイハイ」
「鳥はお前が撃ち落とせよ。落ちた奴を俺が殺る」
「殺るって…」


俺が先を歩いて行くと後ろからクーンが着いて来てなにやらいろいろ話し掛けてくる。
俺は話すためじゃなく使うために呼んだんだ。
そんなに話しかけられても返す言葉がない。


「そうだ、俺急いで来たから回復アイテムとか持って来てないんだけど…」
「それが?」
「それがって…怪我したら大変だからアトリちゃんとか回復が出来る子呼んだ方が良いと思うんだけどなぁ」
「簡単だ。怪我しなけりゃ良い」
「おいおい…;あ、ほら!現にHP減って…」


そんなこと心配してたのか。
回復アイテムなんてその辺に有るしいいじゃん。
優しいんだけどな…時たま欝陶しい。


「やっぱ俺アトリちゃん呼んでくるよ」
「いいって」
「でも怪我…」
「俺はお前だけいればいいんだよ」
「え…」


なんだその顔。
なんで頬赤らめてんだ。
俺なんか言ったか?


「なんだよ」
「ハセヲ…い、今の告白か!そうなのか!?」
「違います近寄らないでください勘違い野郎」
「はははすごい棒読み。まあ…そーだよな…つーかすでに付き合ってんのに…」
「なんでそこで落ち込むんだよ。お前がそんなんだとなんかこっちまで気が狂うだろ。テンション下がるし…」


て、なんでだ。
いやいや、付き合ってますけど、それがなにか?
だからといってなんで俺のテンションまで左右されんだよ。


.
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ