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□‡バカなりの悩み事
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「というわけで、俺は謝らなければならない」
「はぁ…。なにを、ですか?」
今までのいきさつを獣神殿の入口の段に座って話してみるけどシラバスには伝わっていないのかなにを、と聞かれてしまった。
よく話を聞いてくれることが非常に有り難く今この時もなんだか安堵の気持ちが少し出てきている。
やっぱもつべきものは理解者だな。
「なにをって…先帰っちゃったことに決まって…」
「先に帰っちゃったのはなにか後ろめたいこととか気に入らないこととかがあったからでしょう?まずそれを謝らなきゃ」
後ろめたいこと?
気に入らないこと?
特になにがあったわけじゃない。
ただ高校生が好きって…
「確かに嫌な顔したかもしれない。けどだって俺ちゃんとしてりゃ会社員の歳だしハセヲが女だったら援交と間違われるような…」
「それは偏見ですよ(^-^;よく言うじゃないですか、恋愛に歳の差は関係ないって。そういうカップルもいますよ」
「俺はいいんだよ、援交って思われても!ただハセヲがそう思われるのはイヤだ!」
そう言うとシラバスはクスリと笑ってこっちを向いた。
「ハセヲは、愛されてていいなぁ」
その顔がものすごく寂しそうで、いくら俺でも気付かないようなバカじゃなかったから思わず目線を下に、俯く。
そういえば、今日は目が合うことはなかった。
いつもはちゃんと目を見て話してくれるのに。
「悪い…」
「なにがですか?別にクーンさんはなにも悪くないです」
「俺、全然気付かなくて…お前にこんなこと聞くなんてするべきじゃなかった…」
「だって僕はハセヲに頼まれてクーンさんをここに連れて来たんです。だから話してくれても全然いいんですよ」
「…ハセヲが…?」