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□‡その感情の名は、
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「よぉ。待ったか?」

「亮…。待ってないよ…今、着いたばかり…」


待ち合わせ場所は薫の家の近くのファミレス。
休日にもかかわらず、目の前に大きなカフェがあるからかあんまり人もいないし客は俺らと世間話してるオバサン二人と新聞開いてるオッサン一人だけ。

薫が隅の席に座ってたから俺も正面に座って店員に紅茶を注文する。


「薫はなに頼んだ?」

「ボクも紅茶…お揃いだね…」


別に頼むもんが一緒だったくらいでそんなに喜ばなくてもいいのに。
幸せそうな笑みを零して一口紅茶を口に含む薫。
妙にティーカップが似合ってる。
引きこもりのくせに(俺は引きこもりに余りいいイメージは持ってない)顔立ちはいいし色白で、綺麗で、なんか西洋人形みたいな…。


「なぁかお「うっそーマジで!?」


自動ドアの開く音と共に俺の言葉を遮る馬鹿でかい声。
見ると茶髪がかった見るからにギャル男が電話で話していた。
客の目は一度そちらに向けられたけどすぐに自分のことに集中し始める。
俺ももう一度薫に話しかけようと薫に向き直ると薫はティーカップを置いて窓の外、人が大勢行き交う場所を見つめながら口を開いた。


「亮…あれはいる人間なのかな…」

「は…?」

「他人の迷惑なんて考えなくて…」


それはエンデュランスも同じじゃないか…?
人の前で好きだの愛してるだの堂々とホモ発言。
俺は迷惑なんて思ってないけど…他人は絶対見てて暑苦しいと思う。


「大きな声で下品な言葉を喋る…本当に下品な人間…」

「お、おい、薫…」



聞かれたらやばい。
現役高校生の俺が絡まれるなら対象出来るけど引きこもりで体力無しの運動不足なこいつがどう太刀打ちするんだ。
ちらりとギャル男の方を見ると俺らから席が遠いからか電話に夢中になっているからか聞こえていないらしく未だに馬鹿でかい声で会話をしている。
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