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□‡充電が切れる頃には
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#充電が切れる頃には《かすみさき》


残り二つ。家に帰るまで持てばいいけど。
無駄に音楽なんか聞いてたからだってわかってるけど友達がアプリしたからだって言い張ってやる。

このまま何もしなければ切れることはないはず。
別に使わないけど切れるのはなんか嫌だ。
出来るだけ浪費しないようにして家帰ったらすぐに充電しよう。

〜〜〜♪

思った矢先に電話かよ。しかも香住。絶対話長い。


「…もしもし?」
『よお!リアルでは久しぶり!』
「まあそーだけど…なに?充電切れかけてんだけど」
『ん…それまでには終わるから』


なんだかいつもより元気が無い。
最初のなんか高めなテンションも無理をしてるんだろう。
理由はわからないけど何か言いたいことがあるのか。

「どーした?充電切れるまでなら聞いてやるよ」
『あーうん。亮はさ…人を好きになったことある?』
「いや…多分ないけど?つーかどういう好きだよ」
『抱きしめたいとか…キスしたいとかそういうやつ』
「ないね」
『そー、か…』


こいつの言ってることの意味が全く理解出来てない。だって普段『恋の悩みなら全部聞いてやるぜ☆』とかほざいてるやつがなんで俺に聞くんだ。


「なに?香住は好きなやつでもいんの?」
『わかんない』
「は?わからないって…」
『好きかもってわからないくらい好きって言うか…けど抱きしめたりしたいし…』


好きかわからないくらい好きってのは実は好きじゃないんじゃ…
そもそもそんなに人を好きになったこと無い俺に聞いてどうすんだよ。
いろいろズレてる気がする。


「…じゃあなんで抱きしめたいんだ?好きだからだろ?」
『そーだけど…なんかもうダメかも知れない…』
「つか、なんのために電話してきたんだよ。泣き言聞くくらいなら切るぞ」
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