お宝小説

□少年
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優しいだけじゃないこの場所で
自ら両の手に手錠をかけていた
モラルと言う名の枷

人の群れが通り過ぎて行く
誰もが仮面を纏った様な同じ顔からはその心が見えない

必死になって大人になろうとしてきた
少しでも役に立てるように
少しでも恩返しができるように





『オールブルー』
いつか必ず辿りついてみせる、わずかな願いを握りしめて
否定する言葉には逆らう
誰の声より、誰の夢より
自分の夢を信じているから

それでも心の奥底にある狭い地下室に押し込めていた
「くだらねェ」と言われる理由をつけて

今はただ気怠く煙草の煙りを吐き出している
ヒネくれたクソガキと呼ばれようと、いつか素直に想うままに
バカげた夢を目指す
まだ時期じゃねぇだけだ





夢を想い手のひらを胸にあてた、あの日

そう、微かにドアが開いた





「剣士として最強を目指すと決めた時から命なんてとうに捨ててる」


野望を語るその高貴な姿
目を逸らして撥ね除けた


「簡単だろ!!!野望捨てるくらい!!!」


誰の真似より、誰の言葉より、その行為が


「ここを一歩でも退いちまったら
もう二度とこの場所へ帰ってこれねェような気がする」

何よりも―――

「二度と敗けねェから!!!」

いつか必ず勝利するその姿を見たいと思った





そう、確かにドアが開いた





振り返らないでいよう
過去は大事に胸にしまい、いつも共に有ればいい


ここから飛び立とう


ただ、信じていた
ただ、夢を見ていた
ただ、祈っていた


いつまでも、いつまでも


この手に掴むまで





◇◆◇◆◇◆


ユウさん100000hitおめでとうございますヾ(*´∀`*)ノ

ユウさんの大好きな清春さんでお祝いがしたいと思って。
出会った時の衝撃が凄まじかった『少年』を選びました。
こんな出来ですみませんです…(´・ω・`)

サンジくんは優しいから、恩返しと自分の夢の狭間で葛藤してたかなと思って。
恩返しをしなきゃいけないのに夢を見る自分を『狂っている』『汚い楽園』と捉え、モラルという枷をかけて…というイメージで書きました。

私の精いっぱいなので、ご笑納いただけたら幸いです。

これからもよろしくお願いします


2011.03.18 光流
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