お宝小説

□ぴーち!
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「何か手伝うか?」

最近ゾロはお手伝いがマイブームらしくよく声を掛けてくる。
大して役には立たないけど、理由をつけてはオレの傍に居たいんだなーと思うと無下にもできない。
ったく可愛いトコあるじゃねぇか。

「今日のはちーっとばかり繊細な作業が必要なんだよ」
「それか?」

オレの足元には桃が1ケース。

「コンポートを作ろうと思ってな」
「……保存食か」

手探りなゾロが可愛くて仕方ない。藻類のくせにオレのために勉強してるらしいしな(byロビンちゃん)

「真ん中に種があるから、アボカドの要領で切るんだよ」
「斬るのは得意だぞ!(どーん!)」
「種は切っちゃいけないんだよ。手間だから」
「…おう」
「じゃあ手本見せてやるから」

1つを手に取りゆっくりと桃とナイフを動かして切込みを入れ、ひねりながら2つにわけた。

「どうだ?」
「やってみる」

手拭いを装着する程本気なゾロは置いといて。
味見用に貰ってた分の皮を剥く。
やっぱり水気が多いな!流石オレ!やっぱ時期のモンだよなー。
とりあえず果汁が勿体ないから切るのは鍋の上でだな。1口含めば想像以上の甘みと水分。
これなら砂糖はギリギリまで落としてワインを多めに…おっと汁が垂れる。
コンポートにするの勿体ないかもな。
ディナーの時にカットして出してもいいな。

「できたか?お、初めてにしちゃ上出来だな」
「……」
「ゾロ?あーてめぇも味見したいのか?ルフィには内緒な」

齧りかけの桃をゾロに差し出してやった。
何故だか無表情のゾロが桃に手を伸ばし。

ぱくり。

「っ!!てめぇ何しやがる!!オレの指じゃなくて桃を食え!!」
「汁がついてた」
「皮剥いてんだから当たり前だろ!」
「じゅるじゅる音立てて食うし。無駄にエロいんだよ」
「アホか!」

制裁を与えてやろうと間合いを詰める。喰らえっ!!

ぺろん。

「っぎゃぁぁああ!」
「ここも」

腰を手繰り寄せられ、あろうことかぺろぺろと口元を舐められた。

「離せ!変態エロマリモ!!」

「1つ旬を教えて欲しいんだが」
「言ってみろ」
「てめぇの桃尻。いつ食っても美味いんだが…旬は何時だ?」

クソ真面目に質問してきたゾロを渾身の力で蹴り飛ばした。
フランキー、悪ぃけどドア直しといて。




END



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