短々文
□ゾロくんの心配事
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アイツは甘いと思う
一見、女尊男卑に思えるが実はそうではない。
対応は変われど、誰にでも万遍なくアイツはアイツの出来る限りの物を与える。
“仲間であるクルー達に”だけではない。
“例え敵であろうとも”だ。
だから とても心配なのだ。
“腹を減らしてる奴には食わせる”
それは料理人としてのアイツのポリシー
アイツは“飢え”とゆう言葉に敏感なのだ。
それが 幼い頃過酷な体験をしたからなのは言うまでもない。
仲間は大丈夫だ。
俺が目を光らせてるしな。
しかし、船を降りた時、知らねェ奴がもしアイツの前に飢えた目をして現れ
「食わせろ」
なんて事ぬかしやがったら‥、アイツはきっと食わそうとするだろう。
だ か ら
危険なのだ!
食わせろと言うのは 決してメシの事だけではない。
アイツ自身を食いたがる輩がいる。
絶対いる。
確実にいる!
だから、心配でしょうがねェ
アイツを食えるのは俺だけなんだからよ。
お前ら そんな目でコイツ見るんじゃねェよ
俺のだっつってんだろ!
「ゾロ‥」
一昨日来やがれってんだ!
「ゾロっ!」
「‥あ?」
「テメェ、その格好でガン飛ばしてんじゃねェよ。おら、大人しくついて来い」
「痛ェ!引っ張んな」
「ならシャキっと歩け」
チッ‥
迷子癖のゾロくん。
探す手間かけんなと、只今腰紐結び付けられサンジに引かれる、まさに
『犬のお散歩』ならぬ
『魔獣の散歩』状態。
(まぁ、こうしてピッタリくっついときゃ安心だな)
今の自分の、普通の人間なら恥ずかしいだろうその状況より、サンジと一緒に居る事の方がゾロにとっては重要らしい。
END
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